ロンドンは、映画『ハリー・ポッター』シリーズのロケ地が徒歩と地下鉄の圏内にぎゅっと集まった街です。
キングスクロス駅の9と4分の3番線、グリンゴッツ銀行のモデルになった建物、魔法省の入口、ナイトバスが駆け抜けた橋。地図の上で点に見えるスポットも、順番を工夫すれば半日でかなりの数を回れます。
この記事では、ロンドン旅行者向けに「定番スケジュール」として3つのモデルコースを用意しました。
各スポットの詳しい見どころは個別記事にまとめているので、この記事では「どう回るか」に絞って、移動時間と滞在の目安つきで紹介します。時刻はあくまで目安です。当日の混み具合に合わせて前後させてください。
コースの選び方
| 半日コース | ロンドン滞在が短い人向け。キングスクロス、シティ、ウェストミンスターのハイライトだけを約4時間で回ります |
| 1日コース | 市内の主要スポットを徒歩と地下鉄で一巡。夜はオックスフォード・ストリートの旗艦店や舞台観劇までつなげます |
| 2日コース | 1日目は市内、2日目はスタジオツアー・ロンドンへ。ロンドンでハリポタを満喫するならこの形が王道です |
もう1日余裕がある場合は、3日目にオックスフォード日帰りを足すのがおすすめです。足し方は記事の後半で紹介します。
半日コース|キングスクロスからウェストミンスターまで約4時間
出発は朝のキングスクロス駅から。9と4分の3番線のフォトスポットは、時間が経つほど行列が伸びます。半日コースの成否は、ここに朝早く着けるかで決まると言ってもいいくらいです。
9:00 キングスクロス駅|9と4分の3番線と公式ショップ
キングスクロス駅のハリー・ポッターショップの前に、壁に吸い込まれる荷物カートのフォトスポットがあります。自前のカメラでの撮影は無料で、スタッフが寮のマフラーを貸してくれて、ジャンプの瞬間にマフラーをなびかせてくれる演出も名物です。プロの撮影スタッフも常駐していて、写真は店内で購入できます。目安の滞在は撮影と買い物で約45分。混雑する日は閉店の約1時間前に行列が締め切られることがあるので、後回しは禁物です。
駅舎を出たら、隣のセント・パンクラス駅の外観も見ていきましょう。映画でホグワーツ特急が出発する駅の外観として使われたのは、実はこちら側のゴシック様式の駅舎です。外観を見るだけなら約10分で十分です。
10:00 地下鉄でシティへ|レドンホール・マーケットとロスバリー
キングスクロスから地下鉄で約15分、バンク駅方面へ移動します。まず向かうのはレドンホール・マーケット。『賢者の石』でハリーとハグリッドが訪れた漏れ鍋の入口のロケ地で、ヴィクトリア朝のアーケードそのものが映画の世界です。お店は平日中心の営業で、週末の朝は人通りが少なく、撮影するならむしろ週末の午前が狙い目です。滞在は約30分が目安です。
マーケットから徒歩圏内のロスバリーは、イングランド銀行の北側を走る通り。『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』でニュートが尾行を巻く場面に登場します。外観を見ながら通り抜けるだけなら約10分です。
11:15 セントポール大聖堂とミレニアム・ブリッジ
シティから徒歩でセントポール大聖堂へ。大聖堂そのものはファンタビの舞台ですが、ハリポタファンの目当てはその先のミレニアム・ブリッジです。『謎のプリンス』の冒頭でデスイーターに崩落させられた歩行者専用橋で、橋の上からは大聖堂とテムズ川の眺めが開けます。橋を渡り切って対岸から振り返る構図が定番です。ここまでで約45分を見ておきましょう。
12:15 地下鉄でウェストミンスターへ|魔法省の入口まわり
最後は地下鉄でウェストミンスター駅へ。『不死鳥の騎士団』でハリーとウィーズリー氏が魔法省の尋問に向かう際に通った駅です。
駅から徒歩圏内のスコットランド・プレイスは、魔法省への来客用入口(赤い電話ボックス)が置かれた通りのロケ地。現地に電話ボックスは残っていないので、映画の場面を思い浮かべながら歩く場所です。
余力があればトラファルガー広場まで足を延ばして、13時ごろに半日コースを締めましょう。
1日コース|市内を一巡するタイムスケジュール
1日使える場合は、半日コースの骨格に、バラ・マーケットの昼食、ソーホーとオックスフォード・ストリートの買い物、夜の観劇までを組み込めます。歩く距離が長くなるので、移動は地下鉄と徒歩の併用が前提です。
| 8:30 | キングスクロス駅。9と4分の3番線のフォトスポットは開店直後が最も空いています。隣のセント・パンクラス駅の外観もあわせて見学(約1時間) |
| 10:00 | 地下鉄でシティへ。ロスバリーを通ってレドンホール・マーケットへ(約1時間) |
| 11:15 | セントポール大聖堂の外観を見て、ミレニアム・ブリッジを徒歩で渡る(約45分) |
| 12:15 | 対岸のバラ・マーケットで昼食。『アズカバンの囚人』でナイトバスが3度目の停車をする市場の下の通りも近くです(約1時間) |
| 13:45 | 地下鉄でウェストミンスターへ。ウェストミンスター駅、スコットランド・プレイスを回る(約45分) |
| 14:45 | 徒歩でトラファルガー広場へ。近くのストランドにあるオーストラリア・ハウスは、グリンゴッツ銀行の内装のモデルになった建物です(内部は通常非公開のため外観のみ、約30分) |
| 15:45 | ピカデリー・サーカスを通ってソーホーへ。グラフィックデザイン担当のスタジオが手がけるMinaLimaロンドン本店で、映画の小道具デザインの展示と買い物(約1時間) |
| 17:00 | オックスフォード・ストリートの旗艦店へ。英国最大の公式ショップで、グリンゴッツをイメージしたエリアやナイトバスのフォトスポット、ここだけの限定グッズがあります(約1時間) |
| 夜 | 締めはパレス劇場で舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』の観劇。2026年10月からは1部制(上演約2時間55分)になり、1日で物語全体を観られるようになりました。観劇しない日は劇場の外観だけでもどうぞ |
1日コースの足し算と引き算
動物園好きなら、朝のキングスクロスの前にロンドン動物園を入れる変形も可能です。
『賢者の石』でハリーが大蛇と話した爬虫類館のロケ地ですが、動物園は見学だけで半日かかる規模なので、入れる場合は午後の買い物の時間を削る覚悟が要ります。逆に、時間が押したら真っ先に外せるのも動物園です。
また、イズリントンのクレアモント・スクエア(グリモールド・プレイス12番地、不死鳥の騎士団の本部のモデルになった広場)は、キングスクロスから徒歩圏内なので、朝の出発前に寄るのが効率的です。
2日コース|2日目はスタジオツアー・ロンドンへ
2日目はロンドン郊外リーブスデンのワーナー・ブラザース スタジオツアー・ロンドン(The Making of Harry Potter)へ。大広間、ダイアゴン横丁、9と4分の3番線のホームとホグワーツ特急の実物セットが残る、ファンにとっての本丸です。
| 行き方 | ユーストン駅から快速でワトフォード・ジャンクション駅まで約20分。駅前からスタジオツアー専用のシャトルバスで約15分です |
| 所要時間 | ツアー自体は約3時間半が目安。移動と食事を合わせると、ロンドン市内発着で約6〜7時間を見ておくと安心です |
| 予約 | チケットは事前予約制で、当日券はありません。週末や休暇シーズンは早めに埋まるため、ロンドン行きが決まったら真っ先に押さえたいチケットです |
おすすめは午前の早い回の入場です。昼過ぎに市内へ戻ってこられるので、夕方は1日目に回り切れなかったスポットや、キングスクロスでの買い物の残りに使えます。2日目の夜に『呪いの子』を観劇する組み立ても、体力に余裕があれば可能です。
もう1日あるなら|オックスフォード日帰りの足し方
ロンドンから電車で約1時間のオックスフォードは、ホグワーツの食堂や図書館、病院棟のモデルが集まるもうひとつの聖地です。パディントン駅からGWRの電車で約1時間、日帰りが十分に可能です。
中心はクライスト・チャーチ。大食堂(グレート・ホール)のモデルになったダイニングホールと、ホグワーツの階段のロケ地で知られます。見学は時間指定のチケット制で、大食堂は昼食時間帯などに見学できないこともあるため、チケットは事前に公式サイトで押さえ、当日の公開状況を確認してから向かいましょう。
続いてボドリアン図書館へ。ホグワーツの図書室と病院棟のロケ地になったディヴィニティ・スクールは、ガイドツアーや単体の入場で見学できます。
最後にニュー・カレッジの回廊へ。『炎のゴブレット』でマルフォイがイタチに変えられる場面の中庭です。3か所とも徒歩圏内に固まっているので、10時ごろにオックスフォードへ着けば、夕方にはロンドンへ戻れます。
回る前に知っておきたい実務メモ
| フォトスポット | キングスクロスの9と4分の3番線は朝が勝負。混雑日は閉店1時間ほど前に行列が締め切られることがあります |
| 撮影向きの時間 | レドンホール・マーケットは平日が営業の中心。静かなアーケードを撮るなら週末の朝が向いています |
| 予約が要る場所 | スタジオツアー・ロンドンは事前予約必須。クライスト・チャーチは時間指定チケット制です。どちらも旅行日程が決まった段階で押さえるのが安全です |
| 移動の基本 | 市内のスポットは地下鉄のゾーン1〜2にほぼ収まります。非接触決済のカードやスマートフォンをそのまま改札にタッチする乗車が一般的です |
| 歩く距離 | 1日コースは徒歩の総量が多めです。歩きやすい靴で、午後の買い物を考えて荷物は軽くしておきましょう |
まとめ
ロンドンのハリポタロケ地は、朝のキングスクロスを起点に、シティ、テムズ川の両岸、ウェストミンスター、ソーホーと西へ流れるように回るのが定番です。
半日ならこの流れのハイライトだけ、1日なら買い物と観劇まで、2日目があるならスタジオツアー・ロンドンを本丸に据える。この形を覚えておけば、滞在日数に合わせた組み替えも簡単です。
各スポットの見どころや最新の営業時間は、リンク先の個別記事で確認しながら計画を立ててください。