ハリー・ポッターと謎のプリンス

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』は、物語が大きく動き出すシリーズ第6作目。

本作では、ヴォルデモートとの最終決戦に向けてハリーたちが過去の秘密に迫り、闇の魔法に深く関わっていく様子が描かれます。

この記事では、これから観る人がストーリーを何倍も楽しめるように、あらすじキャラクター伏線、時系列、予習ポイントをご紹介します。

こんな方におすすめ

  • 詳しいあらすじを知りたい(ネタバレあり・なし両方)
  • 「謎のプリンス」の正体は?
  • 作品をより深く楽しむための考察や伏線は?
  • 原作と映画の違いはどこ?
  • どこで視聴・購読できるの?

【注意】この記事には、物語の核心に触れるネタバレが含まれるセクションがあります。ネタバレを避けたい方は、目次から該当セクションを避けてお読みください。

映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』の基本情報

原題 Harry Potter and the Half-Blood Prince
公開年 2009年
監督 デヴィッド・イェーツ
上映時間 153分

あらすじ(ネタバレなし)

ヴォルデモート卿の復活が公となり、魔法界もマグル界も暗い影に覆われ始めた時代。ホグワーツ魔法魔術学校の6年生となったハリー・ポッターは、ダンブルドア校長からヴォルデモートの過去を探るという重要な使命を与えられます。

その鍵を握るのは、新たにホグワーツの「魔法薬学」の教授として復帰したホラス・スラグホーン。彼はヴォルデモート卿がトム・リドルと名乗っていた学生時代に、ある重大な秘密を教えていました。

一方、ハリーは授業で偶然手に入れた古い「魔法薬学」の教科書に記された「半純血のプリンス(謎のプリンス)」と名乗る謎の人物による高度な書き込みに助けられ、優秀な成績を収めていきます。しかし、その教科書の呪文には危険なものも含まれていました。

恋愛模様も複雑に絡み合い、ハリーはロンの妹ジニーへの想いを募らせ、ロンとハーマイオニーの関係も微妙に変化していきます。

闇の勢力がホグワーツに迫る中、ハリーとダンブルドアはヴォルデモートの不死の秘密「分霊箱(ホークラックス)」の破壊を目指しますが、そこには衝撃的な結末が待ち受けていました。

あらすじ(ネタバレあり)

原作と映画のちがい

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』の映画版は、原作の持つダークな雰囲気や物語の核心を見事に映像化していますが、時間の制約などからいくつかの相違点があります。

ダンブルドアの死後の描写

原作ではダンブルドアの死後、ホグワーツの「黒い湖」のほとりで荘厳な葬儀が行われます。一方、映画では杖を掲げる追悼シーンへと省略されています。

ホグワーツの生徒たちや教職員、魔法省関係者、さらにはホグワーツの卒業生や魔法界の著名人たちまでもが参列し、彼の死を悼みます。

涙を流しながら遺体を抱えて現れるハグリッドの姿や、参列者の沈痛な面持ちが、ダンブルドアという人物の大きさと、魔法界全体に走った喪失の深さを物語っています。

式の最中、ダンブルドアが飼っていた不死鳥のフォークスが空を舞いながら哀しげな歌を歌う描写は、悲しみの中に希望と癒しを含んだものとして描かれます。

カットされたエピソード

  • ヴォルデモートの過去に関する記憶(特にマールヴォロ・ゴーント一家やヘプジバ・スミスに関するもの)の多くがカットされています。これにより、分霊箱に関する理解が映画だけでは浅くなる可能性があります。
  • 冒頭の魔法大臣とマグル界の首相の会談シーン。
  • ビル・ウィーズリーとフラー・デラクールの関係や、フェンリール・グレイバックによるビル襲撃の描写。

原作ファンにとっては物足りない部分もあるかもしれませんが、映画は独自の魅力とテンポで物語を描いています。両方を楽しむことで、より深く作品世界を味わえるでしょう。

用語解説

スラグクラブ

新任の魔法薬学の先生、ホラス・スラグホーンが開催する、特定の生徒を招待する非公式のサロンのような集まりです。

スラグホーンは有望な生徒や、魔法界で有名な家系の子供を好み、彼らをパーティに招待することで自分の人脈を広げようとしています。この集まりが物語の中で重要な役割を果たします。

「闇の魔術に対する防衛術」の教授職への呪い

ホグワーツ魔法魔術学校の「闇の魔術に対する防衛術」の教授職には呪いがかけられており、この職に就いた者は長期間続けることができません。

これにより、ホグワーツでは毎年、または数年ごとに教授が変わり続けることになります。例えば、ハリーが在学中に登場したギルデロイ・ロックハートやリーマス・ルーピン、ドローレス・アンブリッジなど、そのポジションに就いた人物たちは全員短期間で退職や解任されることになりました。

呪いの起源は、ヴォルデモート(当時はトム・リドル)がこの職に応募したことから始まります。採用されなかった腹いせに、それ以降このポジションに就いた教授たちは次々と短期間で辞職または解任されてしまう呪いがかけられました。

セブルス・スネイプは長年「闇の魔術に対する防衛術」の教授職に就くことをダンブルドアに要求していましたが、スネイプのような非常に重要な人物を巻き込む危険を避けるために、ダンブルドアはスネイプにその職を与えませんでした。

しかし、『謎のプリンス』では、ホラス・スラグホーンが魔法薬学の教師としてホグワーツに赴任し、スネイプが「闇の魔術に対する防衛術」の教授になります。

作品をより深く楽しむための考察・伏線

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』は、シリーズ全体の大きな謎やテーマに深く関わる伏線が多数散りばめられています。

スネイプの忠誠心

ダンブルドア殺害という衝撃的な行動の裏に隠された真実。彼の行動は本当に裏切りだったのか、それとも…。この謎は最終作『ハリー・ポッターと死の秘宝』で明らかになります。

分霊箱の存在

この作品でダンブルドアは、ヴォルデモートが不死を得るために魂を分割し、複数の物に封じた「分霊箱」の存在をハリーに明かします。

物語の後半で彼と共に1つを探しに行くシーンは、以降のシリーズでハリーたちがその全てを探し出し破壊する「分霊箱探しの旅」へとつながる重要な布石です。

ダンブルドアの手の呪い

冒頭で明かされる、ダンブルドアの黒く焼け焦げた右手の描写は、分霊箱の一つである「マールヴォロの指輪」に仕込まれた呪いの影響です。

この出来事は、彼の死の理由の一端にもなっており、同時に「死の秘宝」の一つがすでに登場していたことを示す伏線でもあります。

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ドラコ・マルフォイの任務

本作では、ドラコ・マルフォイが密かにダンブルドアの命を奪うという任務を課せられて苦悩する様子が描かれます。

この任務の裏には、ヴォルデモートの冷酷な思惑と、セブルス・スネイプの「破れぬ誓い」が関わっており、これらは続編以降でスネイプの本当の立場や、ドラコの運命に直結する重大な伏線となっています。

ダンブルドアの墓に納められたもの

ダンブルドアの死後、湖のほとりに建てられた白い大理石の墓には、ある重要な魔法道具が納められています。

映画では明確に描かれていませんが、これがのちに「死の秘宝」のひとつに深く関係しており、結末の展開に直結する重要な要素として扱われます。

R.A.B.の謎

偽のロケットに残されたメモに記された「R.A.B.」とは誰なのか?この人物の正体も、後の物語で重要な意味を持ちます。

愛と犠牲のテーマ

ダンブルドアの死、スネイプの苦悩、そしてハリーが背負う運命。様々なキャラクターが愛のために大きな犠牲を払う姿が描かれます。

「謎のプリンス」の正体

物語のタイトルにもなっている「謎のプリンス(The Half-Blood Prince)」。その正体は、セブルス・スネイプです。

  • 「プリンス」: スネイプの母アイリーン・プリンスの姓から。
  • 「半純血(Half-Blood)」: 彼の母が純血の魔女であり、父トビアス・スネイプがマグルであったため。

スネイプは学生時代にこの教科書を使用しており、そこに自身の発見や改良した呪文、魔法薬の調合方法などを書き込んでいたのです。

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』の視聴方法

映画の視聴方法

  • 動画配信サービス: U-NEXT、Hulu、Amazon Prime Videoなどの動画配信サービスで見放題またはレンタルで視聴可能です(2025年5月現在)。
  • DVD/Blu-ray: 各種オンラインショップや店舗で購入・レンタルが可能です。

原作小説の購読方法

  • 書籍: 全国の書店やオンライン書店で購入できます。
  • 電子書籍: 各種電子書籍ストアで配信されています。
  • オーディオブック: 耳で楽しむオーディオブック版も人気です。

ロケ地

まとめ|最終章へとつながる重要な布石

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』は、シリーズの中でも特に物語が大きく動き、登場人物たちの成長や葛藤、そしてシリーズ最終章『死の秘宝』へ繋がる重要な作品です。

この記事では、あらすじ、登場人物、映画と原作の違い、そして物語の核心である「謎のプリンス」の正体や分霊箱について解説しました。

分霊箱の秘密、スネイプの真意、そしてヴォルデモートとの決戦——そのすべての始まりがこの作品に詰まっています。

まだ作品に触れたことがない方はもちろん、既に何度も楽しんでいるファンの方も、この記事をきっかけに新たな発見やより深い理解を得ていただけたなら幸いです。ぜひ、映画や原作を手に取って、再びハリー・ポッターの魔法の世界に浸ってみてください。

【参考】

WIZARDING WORLD characters, names, and related indicia are © & ™ Warner Bros. Entertainment Inc. Publishing Rights © JKR. (s25)