登場人物

ゲラート・グリンデルバルド

名前 ゲラート・グリンデルバルド
英名 Gellert Grindelwald
誕生 1883年頃
死去 1998年3月
性別 男性
血統 半純血
職業  
所属 ダームストラング専門学校
家族  
ニワトコの杖
守護霊 不明
まね妖怪 不明
演じた俳優 ジェイミー・キャンベル・バウアー(若年期)
ジョニー・デップ
マッツ・ミケルセン
マイケル・バーン(老年期)

「ハリー・ポッター」シリーズや「ファンタスティック・ビースト」シリーズに登場し、魔法界の歴史にその名を深く刻んだ闇の魔法使い、ゲラート・グリンデルバルド。ヴォルデモート卿以前に「史上最悪の魔法使い」と恐れられた彼の生涯は、野望、裏切り、そしてアルバス・ダンブルドアとの複雑な関係に彩られています。

この記事では、ゲラート・グリンデルバルドとは一体何者なのか、その思想、強さ、ダンブルドアとの関係、登場作品、そして彼の迎えた最期、さらには彼を演じた俳優たちに至るまで、詳しく解説していきます。

経歴

「史上最悪の魔法使い」と恐れられたゲラート・グリンデルバルド。

その生涯は、若き日の理想、野望の追求、そしてアルバス・ダンブルドアとの宿命的な関係によって彩られています。彼の経歴を年代を追って見ていきましょう。

1883年頃~|誕生とダームストラング入学

ゲラート・グリンデルバルドは、1883年頃に誕生。

少年期には、ヨーロッパの三大魔法学校の一つであるダームストラング専門学校に入学します。そこでは抜きん出た才能を発揮しましたが、同時に闇の魔術への強い関心と危険な実験を繰り返したため、学内で問題視されるようになりました。

1899年頃|思想の形成とダンブルドアとの出会い

1899年よりも前、グリンデルバルドはダームストラング専門学校を退学処分となります。

その後、1899年の夏には、イギリスのゴドリックの谷に住む大おばであり、著名な魔法史家でもあるバチルダ・バグショットの元へ身を寄せました。

この地で、彼は後に最大のライバルとなるアルバス・ダンブルドアと運命的な出会いを果たします。

二人は「死の秘宝」の探求や、「より大きな善のために」というスローガンの下、魔法使いがマグルを導く世界の実現という共通の理想に燃え、親密な友情を育みました。この関係には、後に恋愛感情も含まれていたことが示唆されています。

しかし、ダンブルドアの弟アバーフォースを交えた口論と決闘の末、妹アリアナが命を落とすという悲劇が起こります。この事件をきっかけにダンブルドアとの関係は完全に決裂し、グリンデルバルドはイギリスを去ることになりました。

~1926年|闇の勢力の台頭とヨーロッパでの暗躍

1900年代初頭から、グリンデルバルドはヨーロッパ大陸に渡り、徐々に信奉者を集め、闇の勢力を拡大していきました。

この時期に、彼は杖職人グレゴロビッチから伝説の「ニワトコの杖」を盗み出すことに成功します。「より大きな善のために」というスローガンを掲げ、魔法使いによるマグル支配という過激な思想を広め、魔法界に不穏な影を落とし始めました。

1926年|アメリカ合衆国での陰謀と捕縛

1926年、グリンデルバルドはアメリカ合衆国魔法議会 (MACUSA) の魔法保安局長官パーシバル・グレイブスになりすまして潜入し、強力なオブスキュラスの力を利用しようと画策しました。この出来事は映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』で描かれています。

しかし、ニュート・スキャマンダーらの活躍によりその正体が暴かれ、MACUSAに捕縛されることになります。

1927年|逃亡とパリでの扇動

MACUSAに捕縛されたグリンデルバルドですが、1927年にはヨーロッパへの護送中に巧妙な計画で逃亡を果たします。この逃亡劇は映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』の冒頭で描かれています。

その後、フランス・パリに潜伏し、大規模な集会を開いて信奉者を増やし、魔法界とマグル界の対立を煽りました。彼は予知能力を駆使し、第二次世界大戦の勃発を示唆することで魔法使いの危機感を巧みに煽動しました。

1930年代|国際的な脅威としての暗躍

1930年代に入ると、グリンデルバルドはドイツを拠点に活動を本格化させ、その影響力は国際的なものへと拡大していきました。

映画『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』では、この時期の彼の暗躍が描かれており、国際魔法使い連盟のリーダー選挙に介入し、魔法界の支配を目論む様子が描かれています。これに対し、ダンブルドア率いるチームが彼と対決することになります。

~1945年|魔法界の支配と「第二次魔法戦争」

グリンデルバルドの勢力はついに頂点に達し、その支配はヨーロッパ全土に及びました。彼の引き起こした混乱と恐怖は、魔法界において「第二次魔法戦争」とも呼べるほどの規模となりました。

1945年|ダンブルドアとの決闘と敗北、幽閉

長年の沈黙を破り、1945年、ついにアルバス・ダンブルドアがグリンデルバルドと対峙します。

二人の間で行われた決闘は、魔法史に残る伝説的なものとなりました。激闘の末、グリンデルバルドは敗北し、所有していたニワトコの杖の所有権はダンブルドアに移りました。

その後、彼は自身がかつて敵対者を収監するためにオーストリアの山中に建設したヌルメンガード城の最上階の独房に幽閉されることになりました。

1945年~1998年|幽閉生活と最期

1945年から1998年までの数十年間、グリンデルバルドはヌルメンガード城に幽閉され続けました。

そして1998年3月、ニワトコの杖の行方を追うヴォルデモート卿がヌルメンガードに現れます。グリンデルバルドは杖の情報を渡すことを拒否、あるいは嘲笑したとされ、その結果ヴォルデモートによって殺害されました。

彼の最期の行動には、かつての過ちを悔いていたかのような、あるいはダンブルドアへの敬意が見られるという解釈も存在します。

ダンブルドアとの複雑な関係

若き日の友情と共通の夢

ゴドリックの谷で出会ったグリンデルバルドとダンブルドアは、互いの才能と知性に惹かれ合い、親友となりました。

共に「死の秘宝」を探し、「より大きな善のために」魔法使いが世界を導くという理想を共有しました。この時期、二人の間には友情以上の深い感情的な絆があったことも示唆されています。

決裂の悲劇|アリアナ・ダンブルドアの死

しかし、彼らの理想は次第に危険な方向へと傾いていきます。そして、ダンブルドアの弟アバーフォースを交えた激しい口論と決闘の末、ダンブルドアの妹アリアナが誰の呪文によるものか不明なまま命を落とすという悲劇が起こります。

この事件をきっかけに、グリンデルバルドとダンブルドアの関係は完全に決裂し、グリンデルバルドはイギリスを去ります。

伝説の決闘(1945年)とその結末

その後、グリンデルバルドはヨーロッパ大陸で勢力を拡大し、闇の魔法使いとして魔法界を恐怖に陥れます。

一方、ダンブルドアはホグワーツ魔法魔術学校の教師として、グリンデルバルドの台頭を複雑な思いで見守っていました。かつての親友であり、その強大な力を知るダンブルドアだけがグリンデルバルドを止められると期待されていましたが、彼はすぐには行動を起こしませんでした。

しかし、グリンデルバルドの脅威が頂点に達した1945年、ついにダンブルドアは彼と対峙することを決意します。

二人の間で行われた決闘は、魔法史に残る伝説的なものとなり、激闘の末、ダンブルドアが勝利を収めました。この決闘により、ダンブルドアはグリンデルバルドからニワトコの杖の所有権を得ることになります。

また、この歴史的な勝利によりダンブルドアの名声は不動のものとなり、後に彼の功績は広く魔法界で認められることになります。蛙チョコのカードにも「1945年、闇の魔法使いグリンデルバルドを破る」と記されることになります。

Featured Video Play Icon
アルバス・ダンブルドア

続きを見る

グリンデルバルドの掲げた理想と野望

「死の秘宝」への渇望

若い頃のグリンデルバルドとダンブルドアは、共に「死の秘宝」に強い関心を抱いていました。

死の秘宝とは、所有する者に死を制する力を与えると言われる3つの伝説的な魔法アイテム(ニワトコの杖、蘇りの石、透明マント)のことです。特にグリンデルバルドは、最強の杖であるニワトコの杖を手に入れ、その力で自らの理想を実現しようとしました。

実際に彼は、杖職人のグレゴロビッチからニワトコの杖を盗み出すことに成功します。

Featured Video Play Icon
「死の秘宝」とは?ニワトコの杖・蘇りの石・透明マントの伝説と所有者の歴史を徹底解説

続きを見る

魔法使いによるマグル支配|「より大きな善のために」

グリンデルバルドの掲げた「より大きな善のために」という言葉は、一見すると高潔な理想のように聞こえます。

しかし、その実態は、優れた魔法使いがマグルを支配し、導くことでより良い世界を築くという危険な選民思想でした。彼は、マグル同士の戦争(第一次世界大戦など)を例に挙げ、魔法使いによる統治の必要性を説きました。

彼の思想の源泉と危険性

グリンデルバルドの思想は、一部の魔法使いにとっては魅力的に映りましたが、それは魔法族と非魔法族の間に深刻な対立を生み出し、多くの悲劇を引き起こすものでした。彼の巧みな弁舌とカリスマ性は、人々を扇動し、危険な道へと導く力を持っていました。

グリンデルバルドが登場する作品

『ハリー・ポッター』シリーズでの言及

「ハリー・ポッター」シリーズでは、主に過去の出来事やダンブルドアの回想の中でその名が登場します。

特に最終巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』では、彼の過去、ダンブルドアとの関係、「死の秘宝」との関わりが重要な要素として描かれています。

『ファンタスティック・ビースト』シリーズでの暗躍

映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズでは、若き日のグリンデルバルドが主要な敵役として登場し、その野望と暗躍が詳細に描かれています。主人公ニュート・スキャマンダーや若き日のダンブルドアが、彼の脅威に立ち向かう姿が描かれています。

実写版で演じた俳優

実写映画では、複数の俳優が異なる年代のゲラート・グリンデルバルドを演じています。

  • ジェイミー・キャンベル・バウアー (Jamie Campbell Bower): 若年期のグリンデルバルド
    • 『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』
    • 『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』
  • ジョニー・デップ (Johnny Depp): 壮年期のグリンデルバルド
    • 『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(カメオ出演)
    • 『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』
  • マッツ・ミケルセン (Mads Mikkelsen): 壮年期のグリンデルバルド(ジョニー・デップの後任)
    • 『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』
  • マイケル・バーン (Michael Byrne): 老年期のグリンデルバルド
    • 『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』

まとめ

ゲラート・グリンデルバルドは、その強大な魔力、カリスマ性、そして危険な思想によって、魔法界の歴史に大きな影響を与えた存在です。

アルバス・ダンブルドアとの複雑な関係は物語の重要な軸の一つであり、彼の野望と行動は、魔法使いとマグルの関係性について深く問いかけるものとなっています。

「ハリー・ポッター」シリーズ、「ファンタスティック・ビースト」シリーズを通じて描かれる彼の物語は、単なる悪役としてだけでなく、魅力と矛盾を抱えた一人の人間としての側面も描き出しており、多くのファンを惹きつけてやみません。彼の存在は、魔法界の光と闇を象徴するキャラクターと言えるでしょう。

WIZARDING WORLD characters, names, and related indicia are © & ™ Warner Bros. Entertainment Inc. Publishing Rights © JKR. (s25)

-登場人物