コラム

【歴代キャスト】舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』ハリーポッター役の俳優まとめ|藤原竜也から稲垣吾郎まで

2022年7月に開幕して以来、日本の演劇界に魔法をかけ続けている舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』。

その物語の中心に立つのが、かつての「生き残った男の子」であり、今や3人の子を持つ父親となったハリー・ポッターです。

魔法省の激務と、思春期の息子アルバスとの関係に悩む彼の複雑な内面は、高い演技力を要求される非常に難しい役どころ。日本では、この大役に日本を代表する実力派俳優たちが、トリプルキャストなどの形式で挑み続けています。

この記事では、日本の舞台でハリー・ポッターの杖を受け継いできた、歴代の全俳優を徹底紹介。それぞれの俳優がどのようにハリーを演じたのか、その魅力に迫ります。

初代 (2022年〜)|伝説の幕開けを飾った3人のハリー

日本初演という大きなプレッシャーの中、見事に大役を務め上げ、作品を大成功に導いた初代キャスト。

個性と実力を兼ね備えた3名が、日本の魔法の歴史の1ページ目を作り上げました。

藤原竜也|初代ハリー・ポッター役

【出演期間】2022年7月〜2023年5月

日本演劇界を代表する俳優の一人である藤原竜也さんが、初代ハリーの一人として白羽の矢を立てられました。

数々の舞台や映画で壮絶な役柄を演じてきた彼が作り上げるハリーは、英雄としての顔の裏に隠された、生々しい苦悩や葛藤を色濃く感じさせるものでした。特に、息子アルバスとの関係がこじれていく中での、父親としての焦りや怒り、そして不器用な愛情表現は圧巻。

伝説の魔法使いが抱える人間的な弱さを見事に体現し、「藤原竜也にしか演じられないハリー・ポッター」として、多くの観客の記憶に刻まれました。

石丸幹二

【出演期間】2022年7月〜2023年7月

ミュージカル界のトップスターであり、映像作品でもその重厚な演技で知られる石丸幹二さん。

彼が演じるハリーは、魔法省の要人としての気品と、長年の経験からくる落ち着き、そして深い包容力を感じさせました。

その穏やかな佇まいの中に、ヴォルデモートとの戦いで負った心の傷や、息子を想うが故の苦悩を繊細に表現。

父としての威厳と、時折見せるチャーミングな一面のギャップも魅力的で、観客に「こんな上司や父親がいてくれたら」と思わせるような、包容力に満ちたハリー像を確立しました。

向井理

【出演期間】2022年7月〜2023年9月

爽やかなイメージで映像作品を中心に活躍してきた向井理さんが、自身にとって大きな挑戦となるこの舞台で、新たな一面を披露しました。

彼が演じるハリーは、スタイリッシュで格好良い英雄でありながら、息子との接し方が分からず空回りしてしまう、等身大の父親の姿が印象的でした。

特に、若き日の自分と息子の姿を重ね合わせ、切なげな表情を見せる場面は秀逸。

スマートな見た目とは裏腹の、人間的な不器用さや愛情深さを丁寧に演じ上げ、これまでハリー・ポッターに触れてこなかった新しい層の観客も、物語の世界へと引き込みました。

2年目 (2023年〜)|魔法を継承し、進化させたハリー

初代キャストの卒業後、魔法のバトンを受け取った新キャスト。向井理さんの続投と共に、新たな風を吹き込みました。

藤木直人

【出演期間】2023年6月〜2023年12月

映画やドラマで多彩な役柄を演じ分ける実力派俳優、藤木直人さん。

藤木さんが演じたハリーは、映像作品などで見せる知的なイメージそのままに、魔法省の要人としてのスマートさと、父親としての深い愛情、そしてその裏にある繊細な葛藤を見事に表現されました。

そのクールな佇まいの中に、息子アルバスを想うが故の焦りやもどかしさが滲み出る様は、多くの観客の心を掴みました。

大貫勇輔

【出演期間】2023年6月〜現在

卓越した身体能力を持つダンサー・俳優として、舞台で絶大な存在感を放つ大貫勇輔さん。

彼が演じるハリーは、そのしなやかな動きも相まって、魔法のアクションシーンが抜群に映えるのが特徴です。

魔法法執行部長としてデスイーターの残党と対峙する際の鋭い眼光や、杖を振るう姿の美しさは必見。その一方で、家庭では息子との関係に悩み、感情をむき出しにする場面も多く、英雄としての強さと父親としての脆さの振れ幅が非常に大きい、情熱的なハリー像を作り上げています。

3年目 (2024年〜)|現在も進化を続けるハリーたち

開幕から2年が経ち、さらに新たな才能がハリー役に抜擢。大貫勇輔さんの続投と共に、3人のハリーが現在の舞台を牽引しています。(※2025年10月現在)

平方元基

【出演期間】2024年7月〜現在

ミュージカルを中心に活躍し、その甘い歌声と確かな演技力で多くのファンを魅了する平方元基さん。

彼が演じるハリーは、優しさと誠実な人柄がにじみ出ており、誰よりも息子アルバスのことを愛しているのに、その思いがうまく伝わらないもどかしさが観客の胸を打ちます。

魔法省のリーダーとしての責任感と、家族を愛する一人の男としての優しさのバランスが絶妙で、観る者に最も感情移入させる「共感型のハリー」と言えるかもしれません。

吉沢悠

【出演期間】2024年7月〜現在

映画やドラマで多彩な役柄を演じ分ける実力派俳優、吉沢悠さん。

彼が演じるハリーは、落ち着いた大人の魅力の中に、どこか少年のような危うさや葛藤を秘めているのが特徴です。

特に、過去のトラウマと向き合うシーンでの繊細な心理描写は特筆すべきものがあります。静かな佇まいの中に複雑な感情を宿し、言葉少ないながらもハリーの心の奥底にある痛みを観客に伝える、深みのある演技で新たなハリー像を提示しています。

まとめ

舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』では、同じ「ハリー・ポッター」という役でありながら、演じる俳優によってその人物像が全く異なる色彩を帯びるのが大きな魅力です。どの俳優が演じるハリーも、それぞれの解釈と人生経験が反映された、唯一無二の存在です。

キャストの組み合わせによっても劇場の空気はがらりと変わるため、一度ならず二度、三度と劇場に足を運び、異なるハリーたちの物語を体験してみるのも、この舞台の醍醐味と言えるでしょう。

チケットを予約する際は、公式サイトのキャストスケジュールを確認し、ぜひお目当ての俳優の公演を狙ってみてください。あなただけの、最高の魔法体験が待っています。

関連記事

-コラム