映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(2018年)で、ニュートとジェイコブがブロンズ像を通り抜けて入っていく、フランス魔法界の商店街「プラス・カシェ(カシェ街)」。
その入口があるとされるのが、パリ18区のモンマルトルです。
この記事では、作中の舞台設定をたどりながら、映画に登場する坂道の風景とそっくりな地形が残るラマルク=コランクール駅周辺の歩き方を紹介します。
映画の中のプラス・カシェとブロンズ像

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プラス・カシェは、ロンドンのダイアゴン横丁にあたる、フランス魔法界の商店街です。マグルには見えない魔法で隠されていて、入口は「高い石の台座の上に立つ、ローブを着た女性のブロンズ像」だと、公式脚本に書かれています。
映画では2回、この像が登場します。1回目は夜の場面で、ティナが像に向かって歩き、魔法使いたちが像の前で次々に姿を消していきます。2回目は昼の場面で、像の前に立つ警官にニュートがコンファンダスの呪文をかけ、ジェイコブを連れて像を通り抜けます。ジェイコブがポートキーのバケツを抱えたまま、おそるおそる像に近づく場面は印象的です。
設定では、この像はモンマルトルの「ジラルドン通りとリシェ通りの角」にあります。ただし、現実のパリでは、モンマルトルのジラルドン通りと9区のリシェ通りは交わりません。像が立つ広場は実在しないので、「像そのものを見に行く」ことはできません。探すべきは像ではなく、像の先にある通りの風景です。
プラス・カシェの通りには、実在のモンマルトルの地名がそのまま使われています。サーカス・アルカヌスが公演していたのはジラルドン通りという設定ですし、通り名には「レ・ゼスカリエ・サクレ=クール(サクレ・クールの階段)」もあります。モンマルトルの丘そのものが、魔法界の舞台として設計されているのです。
映画の風景とそっくりな、ラマルクの地形

©︎魔法倶楽部

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像を通り抜けた先のプラス・カシェの場面を思い出してください。ニュートとジェイコブの背後には、急な坂道が続いています。坂の途中で道が上下2層に分かれ、中央にはアーチ状のくぐり抜けがあり、両脇を階段が上がっていく。そして坂のてっぺんには、サクレ・クール寺院の白いドームが見えます。
この地形とそっくりな場所が、モンマルトルに実在します。メトロ12号線のラマルク=コランクール駅前です。下の道がラマルク通り、上の道がコランクール通りで、2つの通りの合流点に駅の入口が収まっています。入口のアーチを両脇から挟むように階段が上がっていく姿は、映画の坂道の構図と重なります。
映画の制作チームは、パリの街並みを何度も現地で取材し、気に入った通りや建物を撮影して回りました。VFXチームはパリの実測データを使ってセットを延長していたことも明かされています。プラス・カシェの通りは実在の風景の組み合わせで作られているため、モンマルトルの坂道がその材料に含まれている可能性は十分にあります。もっとも、「この駅前がモデルです」と公式に明言された資料はありません。断定はできませんが、映画と見比べながら歩く楽しさは、ここならではです。
ラマルク=コランクール駅と周辺のみどころ
2つの通りに挟まれた駅入口
ラマルク=コランクール駅は1912年に開業した、メトロ12号線の駅です。
丘の斜面に作られたため、ホームは入口から25メートルも下にあり、エレベーターか螺旋階段で下ります。入口は1つだけで、両脇の階段が丘の上へと続いています。この絵になる入口は、映画『アメリ』(2001年)に登場したことでも知られています。
駅のすぐそばには、ピエール・ダック通りという小さな通りの標識や、昔ながらのバーの姿も残っています。
ジラルドン通りへ歩く
駅から丘を上がり、徒歩約10分でジラルドン通りに着きます。作中でサーカス・アルカヌスが公演していた通りです。
通りのそばにはモンマルトルのぶどう畑(クロ・モンマルトル)があり、角を曲がれば、ピンク色の外壁で知られるレストラン「ラ・メゾン・ローズ」が立つ、ソール通りとラブリュヴォワール通りの角に出ます。1920年代のパリの面影を残す一帯で、映画の時代設定とも重なります。
サクレ・クール寺院
丘の頂上にはサクレ・クール寺院があります。
プラス・カシェの場面で坂の上に見えていた白いドームです。作中の通り名にも「サクレ・クールの階段」があるように、この寺院はモンマルトルとプラス・カシェを結ぶ目印になっています。寺院の前からは、パリの街が一望できます。
パリのファンタビゆかりの地と組み合わせて
モンマルトルからは、ほかのファンタビゆかりの地へも足を伸ばせます。
フランス魔法省の入口があるフュルスタンベルグ広場、レストレンジ家の集会の舞台となったペール・ラシェーズ墓地、グリフィンドール談話室のタペストリーのモデルがあるクリュニー美術館。いずれもメトロで移動できる距離です。
ニコラス・フラメルの家があるモンモランシー通りも合わせて回ると、パリの魔法ワールドを1日でたどるコースになります。
まとめ
ラマルク=コランクール駅とモンマルトルは、ファンタビの撮影地ではありません。
けれども、プラス・カシェの入口のブロンズ像があるとされる場所がモンマルトルで、その先の坂道の風景とそっくりな地形が残る場所です。
ニュートとジェイコブが歩いた通りの「手触り」は、ここで感じることができます。パリを訪れたら、映画の場面を思い浮かべながら、ラマルクの階段を上がってみてください。
基本情報
| 英名 | Lamarck–Caulaincourt / Montmartre |
| 場所 | フランス・パリ18区(モンマルトル) |
| アクセス | メトロ12号線「ラマルク=コランクール」駅すぐ |
| 登場作品 | 『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』 |