呪文名 | ブラキアム・エンメンドー 骨よ、治れ |
英名 | Brackium Emendo |
分類 | チャーム |
効果 | 骨を治す |
「ブラキアム・エンメンドー(Brachium Emendo)」とは、折れた腕の骨を治すための治癒呪文です。
この記事では、呪文の使い方や語源、失敗した時の対処法、映画での登場シーンを詳しくご紹介します。
こんな方におすすめ
- 「ブラキアム・エンメンドー」ってどんな意味の呪文?本来の効果は?
- 誰がいつ、どんな状況で使ったの?
- どうして失敗しちゃったの?結果どうなった?
- その後のハリーはどうなった?
Contents
ブラキアム・エンメンドーとは?|骨折治療
まずは、「ブラキアム・エンメンドー」という呪文の基本的な情報から見ていきましょう。
呪文の効果
「ブラキアム・エンメンドー」は、主に折れた腕の骨を治すための治癒呪文です。
正しく使えば、複雑骨折や粉砕骨折であっても、瞬時に骨を繋ぎ合わせ、元通りにする効果が期待されます。魔法界の医療においては、非常に有用な呪文の一つと言えるでしょう。
呪文の語源・由来は?|腕を修復せよ
「ブラキアム・エンメンドー」は、ラテン語が語源と考えられています。
- Brachium (ブラキウム): ラテン語で「腕」を意味します。特に、肩から肘までの上腕部分を指すことが多いです。
- Emendo (エメンドー): ラテン語で「修復する」「正す」「改善する」といった意味を持つ動詞です。
これらを組み合わせると、「腕を修復せよ」または「腕を元通りにせよ」という意味になります。名前の通り、腕の損傷を治すための呪文であることが分かります。
登場作品
ハリー・ポッターと秘密の部屋
この呪文を使用した(そして見事に失敗した)のは、ギルデロイ・ロックハートです。
「マーリン勲章勲三等、闇の力に対する防衛術連盟名誉会員、そして『週刊魔女』うるわし笑顔賞を पांच回連続受賞」という華々しい肩書きを持つ、当時のホグワーツの「闇の魔術に対する防衛術」の教師でした。しかし、その実態は他人の手柄を横取りして名声を得ていただけで、魔法の実力はほとんどありませんでした。
呪文の対象となったのは、主人公のハリー・ポッターです。 グリフィンドール対スリザリンのクィディッチの試合中、ドビーによって呪いをかけられた暴れ球(ブラッジャー)に執拗に狙われたハリーは、右腕を骨折してしまいます。
試合終了後、心配して駆け寄ってきたロックハートは、ハリーの骨折を治そうと得意げにこの「ブラキアム・エンメンドー」を唱えました。
周囲の心配をよそに、ロックハートが自信満々に杖を振ると…なんと、ハリーの右腕から骨が綺麗さっぱり消えてしまいます!
骨がなくなったハリーの腕は、まるでゴムのようにぐにゃぐにゃになり、力なく垂れ下がってしまいました。骨折を治すどころか、骨そのものを消失させてしまうという、前代未聞の医療ミス(?)を引き起こしたのです。
映画版では、この骨のない腕がだらりと垂れ下がる様子がコミカルかつ衝撃的に描かれ、多くの観客に強烈なインパクトを与えました。
なぜ失敗したのか?ロックハートの未熟さと虚栄心
「ブラキアム・エンメンドー」がこれほどまでに悲惨な結果を招いた原因は、ひとえに術者であるギルデロイ・ロックハートの魔法技術の未熟さにあります。
彼は「オブリビエイト」だけは得意としていましたが、それ以外の魔法、特に専門であるはずの「闇の魔術に対する防衛術」や治癒呪文に関しては、ほとんど素人同然でした。にもかかわらず、自身の名声とプライドのために、知ったかぶりをして高度な治癒呪文を使おうとした結果、このような大失敗を招いたのです。
このエピソードは、ロックハートの虚栄心と実力のなさを象徴する出来事として、彼のキャラクターを際立たせています。
骨なし腕の治療法|骨生え薬(スケレグロ)
骨がなくなってしまったハリーの腕は、その後どうなったのでしょうか。
結局、ハリーはホグワーツの校医であるマダム・ポンフリーの適切な処置を受けることになりました。治療法は、「骨生え薬(スケレグロ)」という、その名の通り「骨を生やす」効果のある魔法薬を飲むことです。
しかし、この骨生え薬は効果は絶大ながらも、とてつもない苦痛を伴う薬でした。ハリーは一晩かけて、まるで体内で新たな骨が無理やり成長してくるような激痛に耐えなければなりませんでした。ロックハートの失敗のせいで、ハリーは余計な苦しみを味わうことになったのです。
まとめ|失敗から学ぶ魔法
今回は、ハリー・ポッターシリーズに登場する呪文「ブラキアム・エンメンドー」について、その意味、効果、作中での衝撃的な使用シーン、そしてその背景にある教訓などを詳しく解説しました。
ポイント
- 意味・効果: 「腕を修復せよ」という意味の、骨折を治す治癒呪文。
- 使用者: ギルデロイ・ロックハート(失敗)。
- 結果: ハリー・ポッターの腕の骨が消失。
- 教訓: 魔法の難しさと術者の技量の重要性、ロックハートのキャラクター性の提示。
「ブラキアム・エンメンドー」は、成功例ではなく失敗例として非常に有名な呪文ですが、それゆえに多くのファンの記憶に残り、ハリー・ポッターの魔法世界の奥深さや、キャラクターの魅力を伝える上で欠かせないエピソードの一つとなっています。