呪文名 | リディクラス ばかばかしい |
英名 | Riddikulus |
分類 | チャーム |
効果 | まね妖怪ボガートを退治する |
「リディクラス(Riddikulus)」は、恐怖を打ち破るための魔法です。主に姿を変える魔法生物「ボガート」に対して使われ、相手の恐怖を笑える存在へと変化させます。
この記事では、その呪文の意味、使い方、登場シーンまで詳しく解説します。
リディクラスとは?
呪文の効果
まね妖怪ボガートを退治する呪文。ボガートは相手が一番怖いと思うものに姿を変えることが出来るため、滑稽だと思える姿をとらせて恐怖を笑いに変える。
ボガートは暗がりを好み、術者の目の前に現れるまでは相手が怖がるものを認識できない。そのため、駆除の際には出来るだけ大人数で挑み、何に変身すべきか分からないようにボガートを混乱させると良い。
呪文の意味と語源
リディクラスは、ラテン語の「ridiculus(滑稽な・おかしな)」に由来します。
英語の「ridiculous(ばかげた)」も、まさにこのラテン語から派生した言葉で、語源の通り、相手の恐怖を笑い飛ばす呪文になっています。
ボガート一覧
ハリー・ポッター | ディメンター |
ロン・ウィーズリー | 巨大なクモ(アクロマンチュラ) |
ハーマイオニー・グレンジャー | マクゴナガル先生からの「試験に落第した」という宣告 |
アルバス・ダンブルドア | アリアナの亡骸 |
ニュート・スキャマンダー | デスクワーク |
リーマス・ルーピン | 満月 |
ネビル・ロングボトム | セブルス・スネイプ |
ルーナ・ラブグッド | 不明(J.K.ローリングによると死) |
モリー・ウィーズリー | 家族全員の死体 |
リタ・レストレンジ | コーヴァス・レストレンジの死体 |
パーバティ・パチル | ミイラ |
シェーマス・フィネガン | 巨大な女性の幽霊(バンシー) |
ハリー・ポッター|ディメンター
ハリーのボガートは、幸せな記憶を奪い、絶望をもたらすディメンターの姿。
両親を失った悲しみと、過去の痛みが彼の深い恐怖として表れています。初めて遭遇したのはルーピンの授業で、守護霊の呪文「エクスペクト・パトローナム」を学ぶきっかけにもなりました。恐怖と向き合い、乗り越える象徴的な存在です。
ロン・ウィーズリー|巨大グモ(アクロマンチュラ)
ロンの最大の恐怖は、アクロマンチュラのような巨大なクモです。
幼少期に兄のフレッドに脅かされた経験がトラウマとなり、クモに対して極端な拒否反応を持っています。ルーピンの授業で登場したボガートを「リディクラス」で滑稽なローラースケート姿に変え、恐怖を笑いに変えることができました。
ハーマイオニー・グレンジャー|試験での失敗
ハーマイオニーのボガートは、マクゴナガル先生から「全科目で落第した」と告げられる姿。
成績や努力を何よりも重視する彼女にとって、失敗は最大の不安です。この恐怖は、彼女の完璧主義と自己期待の裏返しであり、知識で恐怖に立ち向かおうとする彼女の性格がよく表れています。
アルバス・ダンブルドア|妹アリアナの遺体
ダンブルドアのボガートは、妹アリアナの遺体であると言われています。
J.K.ローリングは2007年7月30日のオンラインチャットで、ファンからの質問に対し、ダンブルドアのボガートが「妹の遺体」であると明言しました。
質問者: What is Dumbledore's boggart?
J.K.ローリング: The corpse of his sister.
この恐怖は、ダンブルドアが若き日に妹アリアナを守れなかったこと、そしてその死に自分が関与している可能性に深い罪悪感を抱いていることを象徴しています。彼の過去の過ちと、それに伴う自己責任の念が、ボガートとして具現化されているのです。
ネビル・ロングボトム|スネイプ先生
ネビルのボガートは、冷酷で威圧的なスネイプ先生の姿です。
スネイプの授業では常に恫喝され、劣等感を植えつけられていたネビルにとって、彼は日常の恐怖の象徴でした。ルーピンの防衛術の授業で、ネビルは「リディクラス」を使い、スネイプを祖母の服装に変えることでその恐怖を克服し、クラス全体の笑いを誘いました。
モリー・ウィーズリー|家族の死体
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の中で、グリモールド・プレイスで登場したボガートは、モリーの家族全員の死体の姿でした。
戦争が迫る中、家族を守れないという恐怖が顕在化したものです。彼女の深い母性愛と不安が交錯した非常に感情的なシーンで、多くの読者にとっても印象的な場面となりました。
ルーナ・ラブグッド|死
ルーナのボガートは原作や映画の中では明確には描かれていませんが、「死」であると言われています。
J.K.ローリングは同じく2007年7月30日のオンラインチャットで、ファンからの質問に答える形で、ルーナのボガートが「死」であることを明らかにしました。
質問者: What would Luna Lovegood's boggart be?
J.K.ローリング: A dead body.
この発言は、ルーナが幼少期に母親の死を目撃した経験や、死に対する独特の捉え方と関係していると考えられます。彼女は死を恐れるのではなく、自然な一部として受け入れており、その姿勢は彼女の性格や行動にも表れています。
ニュート・スキャマンダー|デスクワーク
ニュートのボガートは「デスクワーク」に変化します。
彼は魔法生物学者としてフィールドワークを愛しており、閉ざされたオフィスでの単調な仕事に就くことを強く恐れています。これは彼の自由を重んじる性格と、冒険を求める心を反映しています 。
リタ・レストレンジ|弟の死
リタ・レストレンジのボガートは、弟コーヴァスの死を象徴する「白い布に包まれた赤ん坊が水中に沈む姿」です。
彼女は幼少期に弟を取り違え、その結果として弟が亡くなったことに深い罪悪感を抱いています。このボガートは、彼女の過去の過ちと、それに伴う自己責任の念を象徴しています 。
登場シーン
アズカバンの囚人
黒い魔法使いの誕生
登場作品
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』
まとめ|リディクラスは「笑いの力」で恐怖を乗り越える魔法
「リディクラス」は、まね妖怪のボガートと戦う際に使用される、内なる強さとユーモアの力で恐怖を制する魔法です。
ハリー・ポッターシリーズの中でも象徴的な呪文のひとつとして、多くのファンに愛されています。実際のシーンを振り返りながら、魔法世界の奥深さを感じてみましょう。
【参考】
J.K. Rowling and the Live Chat, Bloomsbury.com, July 30, 2007 (2.00-3.00pm BST).
リディクラス