呪文

エクスペクト・パトローナム

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呪文 エクスペクト・パトローナム
守護霊よ来たれ
英名 Expecto Patronum
種類 チャーム
用途 守護霊を呼ぶ

『エクスペクト・パトローナム(Expecto Patronum)』は、ディメンターなどの闇の魔術から身を守るための強力な呪文です。

魔法使いが最も幸せな記憶を思い出すことで、守護霊を召喚します。この記事では、この呪文の使い方や映画での登場シーンを詳しくご紹介します。

エクスペクト・パトローナムとは?

「エクスペクト・パトローナム」は、ハリー・ポッターシリーズに登場する防御呪文で、魔法使いがディメンターやその他の暗黒魔術から身を守るために使用します。

この呪文は、最も幸せな記憶を思い出すことで強力な守護霊を召喚するものです。守護霊は、ディメンターの影響を打破する唯一の存在として描かれ、魔法世界において非常に重要な役割を果たします。

呪文の意味と効果

「エクスペクト・パトローナム」はラテン語で「守護霊を呼び出せ」という意味。「待つ」を意味するexspectoと、「保護者・守護者」を意味するPatronus(パトローナス)に由来します。

最も幸福な思い出を具現化し、守護霊を召喚する呪文です。ディメンターに対して唯一有効な呪文で、魔法使い間のメッセンジャーとしても使用されます。

なお、守護霊を召喚できるのは優れた魔力を持つ魔法使いのみで、リーマス・ルーピンのように動物の体を持たない守護霊を作り出す者もいますが、実体を持つ守護霊ほどの強さはありません。純粋な心を持っていない魔法使いは守護霊を召喚できませんが、ドローレス・アンブリッジのように、自分の行動に強い自信を持つ一部の魔法使いは守護霊を生み出すことができます。

守護霊の種類と特徴

守護霊は、魔法使い一人一人に異なった形で現れます。その形は、魔法使いの性格や内面的な特性を反映したものになると言われています。

たとえば、ハリー・ポッターの守護霊は白い鹿の形をしており、彼の優しさと勇敢さを象徴しています。

死別、恋愛など、性格に影響を与える出来事があると、守護霊の形も変化することもあります。

ニンファドーラ・トンクスの守護霊は、リーマス・ルーピンと恋に落ちると、野ウサギからオオカミに変化しました。

また、フクロウは魔法使いにとって関わりが深い動物であるのにも関わらず、その守護霊はあまり見かけません。

魔法理論

守護霊の姿は呪文が成功するまで分からず、その予測方法は未発見です。

18世紀の呪文研究者カタルス・スパングル教授は、守護霊が「人格の中に隠された、未知の、しかし必要なもの」を表していると証明しました。彼の著書『Charms of Defence and Deterrence』では、ディメンターのような非人間的な悪に直面したとき、術者は今まで必要としなかった資質を使わなければならないと述べています。守護霊は目覚めた秘密の自己であり、予期しない形で現れることがあると説明しています。

術者が全く予期しない形の守護霊が生まれる理由について、スパングル教授次のように話しています。

「守護霊が自分の好きな動物の形をしている場合、そのような守護霊は、執念や偏屈さを示している。術者である魔法使いは、日常生活で自分の本質的な部分を隠すことができず、他の人が隠したがるようなことを表に出す傾向がある。彼らの守護霊の形がどのようなものであっても、自分の選んだ守護霊を生み出す魔女や魔法使いには敬意を示し、時には注意を払うことをお勧めする。」

守護霊の形とその意味

守護霊の形は、魔法使いの性格や価値観を反映したものです。守護霊がどのような形をしているかは、その人物にとって非常に重要な要素となります。

守護霊の形の多様性

守護霊の形は、個人の性格や特徴に応じて異なります。

例えば、ハリー・ポッターの守護霊は牡鹿、リリー・ポッターの守護霊は雌鹿をしています。このように、守護霊の形には個人の深層心理が反映されることが多いのです。

守護霊が示す魔法使いの性格

守護霊の形は、魔法使いの性格や信念、価値観を象徴しています。たとえば、ハリーの牡鹿は、彼の強い優しさと犠牲的な精神を象徴しています。守護霊がどのように現れるかを分析することで、その人物がどんな人間かを知る手がかりになると言えるでしょう。

守護霊の一覧

ハリー・ポッター 牡鹿 父ジェームズ・ポッターと同じ形。勇敢さと忠誠心、家族愛を象徴。
ロン・ウィーズリー テリア犬 忠誠心と勇敢さを象徴。家族への深い愛情を反映。
ハーマイオニー・グレンジャー カワウソ 知性と好奇心、遊び心を象徴。学びへの情熱と友情を反映。
アルバス・ダンブルドア 不死鳥 再生と不死を象徴。知恵と慈悲深さを反映。
ジニー・ウィーズリ 自由と力強さを象徴。独立心と勇気を反映。
ルーナ・ラブグッド 野ウサギ 自由な精神と独自性を象徴。幻想的な世界観を反映。
セブルス・スネイプ 雌鹿 リリー・ポッターへの愛情を象徴。犠牲と忠誠を反映。​
リリー・ポッター 雌鹿 母性と無償の愛を象徴。家族への深い愛情を反映。​
ジェームズ・ポッター 牡鹿 アニメーガスと同じ形。勇気、忠誠心、家族への愛情を象徴。
リーマス・ルーピン 内面的な強さと孤独を象徴。自己受容と成長を反映。​
キングズリー・シャックルボルト オオヤマネコ 独立心と冷静さを象徴。忠誠と勇気を反映。
ドローレス・アンブリッジ 権威と支配欲を象徴。自己正当化と権力志向を反映。​
ニンファドーラ・トンクス ジャックウサギ→狼 自由な精神を反映。ルーピンへの想いにより、守護霊も狼の形に変化。

エクスペクト・パトローナムの使い方

エクスペクト・パトローナムは、簡単に使える呪文ではありません。魔法使いが成功させるためには、非常に強い集中力と明確な思い出が必要です。

以下では、この呪文の使い方について詳しく解説します。

実践的な使い方と練習方法

エクスペクト・パトローナムを使うには、まず自分が最も幸せだと感じた瞬間を思い出さなければなりません。集中力を高め、この記憶を強く思い描くことが重要です。

呪文を唱える際には、明確に「エクスペクト・パトローナム!」と力強く言う必要があります。

成功のための心構え

エクスペクト・パトローナムの成功には、恐怖心や不安を克服することも大切です。

魔法使いは、ディメンターなどの脅威に対して冷静さを保ち、内面的な強さを発揮しなければなりません。この呪文を使うことで、自信と勇気が試されます。

映画の中でのエクスペクト・パトローナム|登場場面

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

「エクスペクト・パトローナム」は、映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』で初めて大きな役割を果たします。この呪文は、ハリーがディメンターから自分を守るために使う場面で登場し、観客に強烈な印象を与えました。

ルーピンが守護霊の呪文で盾を作り、ホグワーツ特急に侵入してきたディメンターを追い払う。

ルーピンの指導でハリーが守護霊の呪文の特訓を始める。

グリフィンドール対レイブンクローのクィディッチの試合中にディメンターが現れ、ハリーが守護霊を呼ぶ。しかし、その正体は黒いローブをかぶったマルフォイ、クラッブ、ゴイル、フリントだった。

ハリーがシリウスを襲うディメンターを追い払うために使用した。一度目は失敗に終わるも、逆転時計で時を遡った未来のハリーは牡鹿の守護霊を呼ぶことに成功し、過去のハリーとシリウスを救う。

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

ハリーがディメンターに襲われているダドリーを救うために使用した。

ハリーの指導の元、ダンブルドア軍団で守護霊の練習が行われた。

OWL試験の闇の魔術に対する防衛術の実技試験で、試験官をしていたトフティ教授に守護霊を創り出せば特別点をつけると言われ、ハリーはアンブリッジがクビになるところを想像して守護霊を呼ぶことに成功する。

ハリー・ポッターと死の秘宝

分霊箱を手に入れたハリーたちは、魔法省から脱出する際にディメンターを追い払うために使用した。

グリンゴッツからドランゴンに乗って脱出したハリーたちは、ホグワーツに分霊箱が隠されていると考え、ホグズミード村からの侵入を計画する。到着した瞬間に警報が鳴り、待ち伏せしていたディメンターを追い払うためにハリーが守護霊を呼んだ。

アバーフォースがハリーたちを匿うため、死喰い人が見た守護霊は牡鹿ではなく山羊であると言い守護霊を呼んで見せた。

スネイプがダンブルドアに協力していたのはハリーのためではなくリリーのためであると伝えるため、牝鹿の守護霊を呼んだ。

ハリーをグリフィンドールの剣の隠し場所に導くため、スネイプが使用した。

登場作品

まとめ

エクスペクト・パトローナムは、単なる防御呪文以上の意味を持っています。

この呪文を使いこなすことで、魔法使いは自分の内面の強さを発見し、守護霊と共に戦うことができます。映画や小説で描かれるシーンを通じて、この呪文の重要性を再認識することができるでしょう。

【参考】
[1] Patronus Charm By J.K. Rowling
[2] エクスペクト・パトローナム
[3] 登場人物について守護霊が教えてくれること

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