名前 | レギュラス・アークタルス・ブラック |
英名 | Regulus Arcturus Black |
誕生 | 1961年 |
死去 | 1979年 (18歳没) |
性別 | 男性 |
血統 | 純血 |
職業 | デスイーター |
所属 | スリザリン クィディッチ(シーカー) |
家族 | オリオン・ブラック(父) ワルブルガ・ブラック(母) シリウス・ブラック(兄) |
杖 | 不明 |
守護霊 | 不明 |
まね妖怪 | 不明 |
演じた俳優 | トム・ムーア |
「ハリー・ポッター」シリーズに登場する登場人物の中でも、謎めいた存在として知られるレギュラス・ブラック。シリウス・ブラックの弟であり、ブラック家の純血主義を体現する家系に生まれた彼は、かつて死喰い人(デスイーター)でもありました。
彼のイニシャル「R.A.B.」は物語の重要な鍵となり、その短い生涯と衝撃的な行動は多くのファンの心に深く刻まれています。
この記事では、「レギュラス・ブラックって何者?」「何をしたの?」といった疑問から、死の真相、彼の人物像、他のキャラクターとの関係、そして人気の理由まで、レギュラス・ブラックの全てを徹底的に解説します。
Contents
レギュラス・ブラックとは?基本情報と「R.A.B.」の謎
まず、レギュラス・ブラックが何者なのか、基本的な情報と物語の鍵となる「R.A.B.」の謎について解説します。
純血を尊ぶブラック家の次男として、家族の期待を一身に背負い、ホグワーツではスリザリン寮に所属。兄シリウスとは対照的に、家の教えに忠実な「優等生」でした。
「R.A.B.」とは、彼のフルネームの頭文字を取ったもの。ヴォルデモートの分霊箱の一つであるロケット(偽物)に添えられた手紙の署名として登場し、ハリーたちがその正体を探るきっかけとなりました。
レギュラス・ブラックは何をしたのか?デスイーターからの転身と命がけの行動
若くしてデスイーターとなったレギュラスですが、彼の物語における最も重要な行動は、ヴォルデモート卿への反逆です。
デスイーターへの加入と幻滅
レギュラスは純血主義とヴォルデモートに共鳴し、若くして死喰い人となります。しかし、その残虐性や、不死のために分霊箱を作り、その過程で屋敷しもべ妖精のクリーチャーを使った非道な行いを見て、次第に幻滅していきます。
分霊箱(ロケット)の破壊を決意
ヴォルデモートの不死の秘密である分霊箱の一つ、「サラザール・スリザリンのロケット」の存在とその隠し場所を知ったレギュラスは、それを破壊することを決意。これは、闇の帝王に背く極めて危険な行為でした。
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【第1回】分霊箱とは?魂を引き裂く恐ろしい代償を徹底解説
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クリーチャーへの命令とロケットのすり替え
彼は屋敷しもべ妖精のクリーチャーを伴い、分霊箱が隠された洞窟へ向かいます。そして、自身が罠である魔法薬を飲み干し、クリーチャーに本物のロケットを偽物とすり替えさせ、持ち帰って破壊するよう命じました。
ヴォルデモートへの手紙
偽のロケットには、R.A.B.の署名と共にヴォルデモートへの痛烈なメッセージが残されていました。
この行動が、数年後、ハリーたちがヴォルデモートを倒すための重要な手がかりとなりました。
闇の帝王へ
あなたがこれを読むころには、私はとうに死んでいるでしょう。
しかし、私があなたの秘密を発見したことを知ってほしいのです。
本当の分霊箱は私が盗みました。できるだけ早く破壊するつもりです。
死に直面する私が望むのは、あなたが手ごわい相手に見えたその時に、もう一度死ぬべき存在となることです。ー『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第29章
レギュラス・ブラックの死の真相
レギュラスの英雄的な行動は、彼の死と引き換えでした。
彼はヴォルデモートの分霊箱であるロケットを破壊するため、その在り処である洞窟へと足を踏み入れました。そこでロケットを取り出すために必要だったのが、分霊箱を守るために仕掛けられていた魔法薬を飲み干すことでした。この魔法薬は、飲んだ者に強烈な渇きと共に過去のトラウマを追体験させるという恐ろしい効果を持っており、レギュラスは自ら引き受けて飲み干します。

しかし、魔法薬の作用で耐え難い渇きに襲われた彼は、洞窟内の湖の水を求めて近づいた際、湖に潜んでいた亡者(闇の魔術で操られる死体)に襲われ、水中に引きずり込まれて命を落としました。そのとき、彼はまだ18歳という若さでした。
自らの命を犠牲にしてまで正しいことを成し遂げようとした彼の最期は、非常に悲劇的です。
レギュラス・ブラックの人物像と葛藤
レギュラス・ブラックは、複雑な内面を持つ人物として描かれています。
クリーチャーへの深い愛情
レギュラス・ブラックは、当初はブラック家の純血主義の思想に強く影響され、両親の期待に応えようとする従順な息子でした。
しかし、デスイーターとして活動するうちに、ヴォルデモートの本質的な邪悪さを目の当たりにし、自分の信じてきた価値観に疑問を抱くようになります。
また、ブラック家の他の家族とは異なり、屋敷しもべ妖精のクリーチャーに対して深い情愛を持って接していました。そのため、クリーチャーへの冷酷な仕打ちは、彼にとって大きな転機となりました。
忠実な息子から、英雄へ
過ちに気づいたレギュラスは、それを正すために自らの命を危険に晒すこともいとわず、強い正義感と勇気をもって行動します。
その背景には、深い後悔と、正しいことを貫きたいという高潔な精神がありました。
レギュラス・ブラックをめぐる人間関係
彼の行動や人物像を理解する上で、他のキャラクターとの関係性も重要です。
兄シリウス・ブラックとの関係
生前は、価値観の違いからシリウスとは疎遠でした。シリウスは純血主義の家族に反発して家を飛び出しましたが、レギュラスは家族の期待に応えようとしました。
しかし、レギュラスの死の真相を知ったシリウスは、弟の勇気を認め、その死を悼んでいました。グリモールド・プレイス12番地のレギュラスの部屋は、彼がデスイーターから離反したことを示す装飾がされており、シリウスはそれをそのままにしていたことから、複雑な感情を抱いていたことがうかがえます。
屋敷しもべ妖精クリーチャーとの絆
レギュラスはクリーチャーを大切に扱い、分霊箱の破壊という極秘任務を託しました。これは、通常屋敷しもべ妖精を道具のように扱う純血主義の魔法使いとしては異例のことです。
クリーチャーはレギュラスを深く敬愛しており、彼の命令を忠実に守り続けました。レギュラスの優しさが、クリーチャーの心に大きな影響を与えていたことが分かります。
ブラック家の両親
両親(特に母親のワルブルガ)は純血思想に凝り固まっており、レギュラスに大きな影響を与えました。しかし、レギュラスが最終的にその思想から離反したことは、彼自身の良心と判断力の表れと言えるでしょう。
なぜファンに愛される?レギュラス・ブラックの魅力
短い登場にも関わらず、レギュラス・ブラックが「ハリー・ポッター」シリーズで非常に重要な役割を果たし、多くのファンに愛されているのには理由があります。
物語の中の役割|悲劇的な運命
レギュラス・ブラックの最大の功績は、分霊箱であるロケットのすり替えという命懸けの行動にあります。
彼がこの行動を取らなければ、ハリーたちが分霊箱の存在に気づくことは難しく、ヴォルデモートを倒す道のりはさらに困難なものとなっていたでしょう。結果的に、レギュラスはヴォルデモート打倒において重要な一手を担っており、物語の根幹に大きく貢献した存在と言えます。
テーマ性の体現
レギュラスは、「人は過ちを犯しても、正しい道を選び直すことができる」という『ハリー・ポッター』シリーズの核心的テーマを体現する人物の一人です。
彼の存在は、スリザリン寮生や純血主義者の中にも、己の信念に従い正義のために行動できる人物がいることを示しています。これにより、物語に単純な善悪の対立ではなく、より複雑で奥深い人間ドラマを加えています。
ファンに愛される理由
レギュラスがファンに支持される最大の理由の一つが、その悲劇性にあります。若くして命を落とし、その死の背景に英雄的な行動が隠されていたという事実は、多くの読者の胸を打ちます。また、当初は闇の側にいたはずの人物が、真実が明らかになるにつれ「勇気ある反逆者」へと評価が大きく変わっていくギャップも、彼の魅力を際立たせています。
さらに、レギュラスの行動は大々的に語られることがなく、誰にも知られないまま正義を貫こうとしたその秘められた勇気が、多くのファンにとって心を動かす要素となっています。加えて、生前の描写が限られているため、「もし彼が生きていたら?」「スネイプと共闘できたのでは?」といった想像が尽きず、キャラクターとしての考察の余地が多いことも、ファンの間で語り継がれる大きな要因です。
まとめ|レギュラス・ブラックが残した教訓とは?
レギュラス・ブラックの物語は、単なる脇役の悲劇に留まりません。
彼の生涯は、「人は過ちを犯しても、正しい道を選び直すことができる」というハリー・ポッターシリーズの重要なテーマのひとつを象徴しています。誰にも知られないまま、命をかけて正義を貫こうとした彼の勇気は、多くのファンの心を動かしました。
彼がいなければ、ハリーたちの勝利はなかったかもしれません。まさに“影の英雄”といえる存在でしょう。
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