この記事では、ツアーの中でも特に「ホグワーツでの生活」に焦点を当てた「ホグワーツ・ライフ」エリアについてご紹介します。
大広間での食事から、談話室での団らん、教室での学びまで、物語の世界に深く入り込むための見どころと、制作陣のこだわりに満ちた舞台裏の秘密を徹底解説するので、ぜひご覧ください!
動く階段と肖像画
荘厳な大広間を後にし、次に足を踏み入れるのは、まるで生きているかのように絶えず変化するホグワーツ城の内部です。
延々と続く「動く階段」の秘密

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気まぐれに行き先を変える「動く階段」は、作中では142もあるとされています。
撮影で実際に建設されたのはセットの一部だけで、残りは精巧なミニチュア模型と、グリーンスクリーンを背景に撮影した俳優たちの映像を合成することで、あの延々と続くかのような不思議な空間が生み出されました。
語りかける「ホグワーツの肖像画」

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階段の周辺には、まるで命が宿っているかのように動き、語りかけてくる肖像画が壁一面に飾られています。
驚くべきことに、350枚近くある肖像画のモデルの多くは、映画制作に携わった撮影スタッフたち。ここでは、あなた自身が「動く肖像画」の一員になれるインタラクティブ体験も楽しめます。
談話室を守る「太った婦人」

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肖像画の中でもひときわ存在感を放つのが、グリフィンドール寮の入口を守る「太った婦人」です。
シリーズ途中で俳優が交代したという裏話もあり、彼女の肖像画を見つけたら、次の目的地であるグリフィンドール寮はもうすぐです。
グリフィンドール寮とスリザリン寮
ホグワーツを代表する二つの寮、グリフィンドールとスリザリン。その対照的な生活空間を覗き見てみましょう。
グリフィンドールの談話室

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寮のシンボルカラーである赤と金で統一された談話室は、暖炉の炎と相まって非常に温かな雰囲気です。
この暖炉は、ハリーがダーズリー家で過ごした"階下の物置"との対比として、意図的に特大サイズに設計されました。らせん階段を上った先にある男子寮では、ロンのベッド周りにクィディッチのポスターが追加されるなど、キャラクターの成長に合わせて小道具がカスタマイズされていった様子も見ることができます。
「心地よい円形の部屋で、ふかふかした肘掛け椅子がたくさん置いてあった。」
― J.K.ローリング『ハリー・ポッターと賢者の石』(松岡佑子訳/静山社)
グリフィンドールの男子寮

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談話室のらせん階段を上った先にあるとされる、ハリーとロンが勉強やトラブルから解放されてホッとできる空間「男子寮」が再現されています。
このセットは2000年に完成して以来、10年以上も撮影で使われ続けました。基本構造は変わりませんでしたが、装飾チームはキャラクターの成長に合わせてベッド周りを細やかにカスタマイズしました。
例えば、ロンのベッド周りには、彼が愛するクィディッチチーム「チャドリー・キャノンズ」のポスターやペナントが飾られるなど、ファンなら思わず笑みがこぼれるようなディテールが満載です。
「深紅のビロードのカーテンがかかった、四本柱の天蓋つきベッドが五つ置いてあった。トランクはもう届いていた。」
― J.K.ローリング『ハリー・ポッターと賢者の石』(松岡佑子訳/静山社)
スリザリンの談話室

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アットホームなグリフィンドールとは対照的に、スリザリンの談話室は無機質で冷たい雰囲気に包まれています。
ここに再現されているのは、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』でハリーとロンがポリジュース薬を使い、クラッブとゴイルに変身してドラコ・マルフォイから情報を聞き出そうとする、あの緊張感あふれるワンシーンです。
このセットは、『炎のゴブレット』ではトロフィールーム、『不死鳥の騎士団』では"必要の部屋"になるなど、変幻自在に役割を変えた、非常に興味深い歴史を持っています。
「スリザリンの談話室は、細長い天井の低い地下室で、壁と天井は粗削りの石造りだった…」
― J.K.ローリング『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(松岡佑子訳/静山社)
クィディッチ
ホグワーツの生徒たちが熱狂する、魔法界で最も人気のあるスポーツ「クイディッチ」。
ほうきに乗って空中を高速で飛び交い、4つのボールを追いかけるこの競技は、非常に危険で、そして何よりもスリルがあります。ここでは、J.K.ローリングが生み出したこの架空のスポーツを、映画制作者たちがいかにしてリアルな映像へと昇華させたか、その舞台裏に迫ります。
「ホグワーツの友達に会えないのもさびしかったが、加えて一番恋しかったのはクィディッチだった。魔法界で一番人気のスポーツーー箒(ほうき)に乗って競技する、非常に危険で、ワクワクするスポーツだ。」
― J.K.ローリング『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(松岡佑子訳/静山社)
ルールの映像化と用具のデザイン

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映画スタッフは、原作に記された基本ルールブックを基に、映像化のための詳細な設定を作り上げました。
美術チームは、ゴールポストから、クアッフル、ブラッジャー、そして黄金のスニッチといったボール、さらにはバットに至るまで、試合に必要な“公式”用具一式をデザイン。衣装チームはユニフォームを、グラフィックデザイナーは各チームのペナントやポスターを制作し、クイディッチの世界にリアリティを与えました。
テクノロジーと職人技の結晶「競技用のほうき」

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選手たちがまたがるほうきは、単なる小道具ではありません。
激しい飛行シーンの撮影に耐えられるよう、その多くは航空機仕様のチタン製ポールを芯にして作られました。特に、ハリーが愛用する「ファイアボルト」は、本物の木の質感を出すために、実在する木の皮からかたどったものを表面に巻いて仕上げるなど、テクノロジーと職人技が融合した逸品です。

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あなたも観客に!「クィディッチ応援体験」
スタジオツアーでは、あなた自身がクイディッチの観客になることができます。
このインタラクティブな体験コーナーでは、『ハリー・ポッターと賢者の石』の試合シーンの“エキストラ”として、グリフィンドールやスリザリンのスタンドから選手たちに声援やブーイングを送るシーンを撮影します。
撮影後には、完成した映像で自分の姿をチェックでき、その映像を持ち帰って家族や友人と楽しむことも可能です。
ダンブルドアの校長室
宇宙をテーマにした校長室

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ホグワーツ城の知と秘密の中心、それが「ダンブルドアの校長室」です。
ダンブルドアの校長室が入っている3重の塔は、ホグワーツの建造物のなかでもっとも高い位置にあります。美術デザイナーのスチュアート・クレイグは宇宙を含めた天体が好きなダンブルドアのために、天文学をテーマに校長室をデザインしました。
校長室のセットはシリーズ第2作『秘密の部屋』以来、シリーズを通して登場しますが、ときには別のセットに変身することも。
たとえば、シリーズ第3作『アズカバンの囚人』では実験用具を置くことで、ハリーがリーマス・ルーピン先生と高度な魔法を習った部屋として使用されました。
スタジオツアー東京の展示は、シリーズ第6作『謎のプリンス』に使われたセットを再現したものです。
入口を守る「グリフィン像」

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校長室へと続く入口は、巨大な「グリフィン像」によって守られています。
この像の裏には、エスカレーターのように滑らかに上昇する「らせん階段」が隠されています。これはツアーの中でも特に大がかりなセットの一つで、その精巧な作りに驚かされます。
歴代ダンブルドアの衣装

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三大魔法学校対抗試合
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の物語の中心となる、歴史ある「三大魔法学校対抗試合」。
ヨーロッパを代表する三つの魔法学校が、その名誉をかけて過酷な課題に挑みます。このエリアでは、壮大なイベントを彩った各校の特色や、物語の鍵となる魔法のアイテムを間近で見ることができます。

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ボーバトン魔法アカデミー

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フランスの魔法学校ボーバトンの生徒たちは、7頭のペガサスが引く壮麗な馬車に乗って空から華麗に登場しました。
美術チームはこのシーンのために、実際にパリで馬車をレンタルし、ロココ調のオーナメントを飾り付けて撮影に臨んだといいます。
パリのファッションを参考にデザインされた、優雅で上品な水色のシルクの制服も、その校風を見事に表現しています。
ダームストラング専門学校

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「男らしさ」がモットーのダームストラングは、ボーバトンとは正反対の校風です。
東欧の魔法学校らしく、生徒たちの制服や髪型にもそのテイストが感じられます。撮影期間中、ダームストラングの生徒を演じた俳優たちは、あの特徴的な刈り上げヘアを保つために、毎日毛先をカットしていたという裏話もあります。
また、彼らが乗ってきた帆船は、15世紀の探検家が所有していた船をモデルにデザインされました。
優勝トロフィーと金の卵
三大魔法学校対抗試合の優勝者に贈られるトロフィーは小道具職人ピエール・ボハナの自信作。
まばゆいトロフィーに付いた3頭のトラゴンは、700年の歴史をもつ大会の出場校(ホグワーツ、ダームストラング、ポーパトン)を象徴しています。

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対抗試合で登場する、二つの重要なアイテムも展示されています。
一つは、第一の課題でドラゴンから奪い取る「金の卵」。グラフィックデザイナーのミラフォラ・ミナがデザインしたこの小道具は、水中でしか秘密の歌が聞こえないという精巧な仕掛けが施されています。
もう一つは、優勝者に贈られる「三大魔法学校対抗試合の優勝杯」。小道具職人ピエール・ボハナの自信作で、まばゆいトロフィーに付いた3頭のドラゴンは、出場校であるホグワーツ、ダームストラング、ボーバトンを象徴しています。
炎のゴブレット

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各校の代表選手を選び出す、このイベントの象徴が「炎のゴブレット」です。
美術監督のスチュアート・クレイグは、当初金属製の小さなカップをイメージしていましたが、最終的には木彫りで高さ1.5メートル以上もある、存在感のあるデザインに変更されました。この古めかしい魔法のカップが、ハリーを4人目の代表選手として指名したことから、彼の運命は大きく動き出します。
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