『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』は、J.K.ローリング原作の人気ファンタジーシリーズ第3作目。
前2作と比べてダークでミステリアスな雰囲気が加わり、シリーズの転換点とも言える一作です。
本記事では、これから観る人がストーリーを何倍も楽しめるように、あらすじやキャラクター、時系列、予習ポイントをご紹介します。
Contents
映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の基本情報
原題 | Harry Potter and the Prisoner of Azkaban |
公開年 | 2004年 |
監督 | アルフォンソ・キュアロン |
上映時間 | 約142分 |
あらすじ
夏休みのある日、ハリーは13才の誕生日を迎える。あいかわらずハリーを無視するダーズリー一家。さらに悪いことに、おじさんの妹、恐怖のマージおばさんが泊まりに来た。耐えかねて家出するハリーに、恐ろしい事件がふりかかる。脱獄不可能のアズカバンから脱走した囚人がハリーの命を狙っているという。 新任のルーピン先生を迎えたホグワーツ校でハリーは魔法使いとしても、人間としてもひとまわりたくましく成長する[1]。
原作と映画の違い
映画版では、原作で細かく描かれた「忍びの地図」の背景や、ルーピンとシリウスの関係性の描写が一部省略されています。一方で、映画独自の演出やテンポの良さで初心者にもわかりやすく構成されています。
忍びの地図の背景が省略されている
忍びの地図(Marauder's Map)は、ホグワーツの地図にすぎないアイテムのように映画では扱われていますが、実は原作では、ハリーの父ジェームズを含む4人の親友が在学中に作った秘密のアイテムです。
彼らは自らを「いたずら仕掛け人(マローダーズ)」と名乗り、それぞれプロングス=ジェームズ、ムーニー=ルーピン、パッドフット=シリウス、ワームテール=ピーターというあだ名を使っていました。
彼らはアニメーガス(動物に変身できる魔法使い)の技術を独学で習得するほどの絆と知識を共有しており、地図はその象徴でした。しかし、映画ではこの背景が語られないため、地図の存在が少し唐突で、感情的な深みが伝わりにくくなっています。
タイムターナーの伏線
物語後半のクライマックスを飾る時間移動のシーンは、映画では視覚効果も含めて非常に印象的ですが、その“伏線の積み上げ”という点では原作の方が優れています。
原作では、ハーマイオニーが複数の授業を同時に受けていたり、時間管理に苦しんでいた描写が中盤から繰り返され、読者に違和感を植え付けています。
これが後半でタイムターナーによって説明されることで、すべてのピースがぴたりとはまり、カタルシスを得られる仕掛けになっているのです。
映画ではその過程が大幅に省略され、装置としては鮮やかに使われていても、「驚き」や「納得感」がやや弱まっています。
ルーピンとハリーの間にある“父の面影”が描かれない
リーマス・ルーピンは、映画でも非常に魅力的なキャラクターとして描かれていますが、原作ではさらに深く、ハリーの父ジェームズとの友情、そして彼の死を悼む気持ちが語られています。
ハリーがルーピンに「父を知っていましたか」と尋ねる場面や、父のユーモアや勇気を語る描写は、ハリーにとって“失われた親との間接的な再会”でもあります。映画ではこれらの背景が省略されており、ルーピンが単なる“良い先生”としての印象にとどまりがちです。
【ネタバレあり】詳しいあらすじ&結末
映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』のストーリーをネタバレありで解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。
ホグワーツ魔法魔術学校の3年生になったハリー・ポッターは、ある日、魔法界の刑務所「アズカバン」から凶悪犯シリウス・ブラックが脱走したというニュースを知ります。世間では、彼が13年前にヴォルデモート卿に忠誠を誓い、ハリーの両親ジェームズとリリー・ポッターを裏切った張本人だとされています。そして今、彼はハリーを殺すためにホグワーツに向かっていると噂されていました。
学校では、新任の「闇の魔術に対する防衛術」の教師リーマス・ルーピンが着任。彼はハリーに「エクスペクト・パトローナム(守護霊の呪文)」を教え、ハリーを襲う恐ろしい監視役「ディメンター(吸魂鬼)」から守ってくれます。
物語が進む中で、シリウス・ブラックがついにホグワーツに侵入。そして、ハリー・ロン・ハーマイオニーの3人は、ある夜、「暴れ柳」の下に隠された秘密の通路から、廃屋「叫びの屋敷」でついにシリウスと対面します。
ハリーはシリウスに両親の仇として復讐しようとしますが、そこで驚くべき真実が明らかにされます。本当に両親を裏切ったのは、ロンのペットとして長年偽装していたピーター・ペティグリュー(愛称:ワームテール)だったのです。彼はアニメーガス(動物に変身できる魔法使い)で、ネズミの姿に変わりロンに飼われていたのです。
シリウスは、実はハリーの父・ジェームズの親友で、ハリーの名付け親でした。彼は罪を着せられて13年間アズカバンに収監されていたのです。
その後、ハリーたちはペティグリューを捕まえますが、満月の夜、リーマス・ルーピンが狼人間に変身してしまい、混乱の中でペティグリューは逃走してしまいます。シリウスは再び捕らえられ、ディメンターによって「魂を吸われる刑(吸魂鬼のキス)」に処されそうになります。
しかしハリーとハーマイオニーは、ダンブルドアの助言により「タイムターナー」という時間を巻き戻せる魔法道具を使って数時間過去に戻り、シリウスを救出。空飛ぶ魔法動物「バックビーク」に乗せてシリウスを逃がします。
物語の最後、シリウスは無実のまま逃亡者となりますが、ハリーにとって「家族のような存在」が生きていて、自分を想ってくれているという大きな希望を残して旅立ちます。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の視聴方法
映画の視聴方法
- 動画配信サービス: U-NEXT、Hulu、Amazon Prime Videoなどの動画配信サービスで見放題またはレンタルで視聴可能です(2025年5月現在)。
- DVD/Blu-ray: 各種オンラインショップや店舗で購入・レンタルが可能です。
原作小説の購読方法
- 書籍: 全国の書店やオンライン書店で購入できます。
- 電子書籍: 各種電子書籍ストアで配信されています。
- オーディオブック: 耳で楽しむオーディオブック版も人気です。
ロケ地
まとめ|アズカバンの囚人がシリーズにもたらした影響
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』は、魔法の世界の「光と闇」がより鮮明に描かれた一作であり、ハリーの成長と共に観る者もより深くこの世界に引き込まれていきます。
時間移動やトラウマと向き合う描写など、シリーズでも独自性の高い作品です。
【参考】
[1] Amazon.co.jp
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