名前 | シリウス・ブラック |
英名 | Sirius Black |
誕生 | 1959年11月3日 |
死去 | 1996年6月18日 |
性別 | 男性 |
血統 | 純血 |
職業 | 不死鳥の騎士団 |
所属 | グリフィンドール |
家族 | ヴァルブルガ・ブラック(母) オリオン・ブラック(父) レギュラス・アークタルス・ブラック(弟) |
杖 | |
守護霊 | 不明 |
まね妖怪 | 不明 |
演じた俳優 | ゲイリー・オールドマン(映画版) |
シリウス・ブラック(Sirius Black)は、ハリー・ポッターシリーズに登場するキャラクターの一人です。
この記事では、シリウスの生い立ち、物語中の活躍、アズカバン投獄の理由まで、わかりやすく解説します。
Contents
シリウス・ブラックとは何者?
まずは、シリウス・ブラックの基本的なプロフィールから見ていきましょう。
ハリー・ポッターの名付け親
シリウス・ブラックは、主人公ハリー・ポッターの亡き父ジェームズ・ポッターと母リリー・ポッターの親友であり、ハリーの名付け親です。ハリーにとっては、両親亡き後、最も信頼し、愛情を注いでくれる数少ない大人の一人として、大きな心の支えとなりました。
純血の名家「ブラック家」の異端児
彼は、純血の魔法使いの名家として知られる「ブラック家」の出身です。
しかし、家族の多くが純血主義に傾倒し、闇の魔術を信奉する中、シリウスはそうした思想を強く嫌悪し、16歳という若さで家を出ています。このため、母親からは勘当され、ブラック家の家系図からもその名を抹消されました。
弟は、後にヴォルデモートの分霊箱(ホークラックス)の一つを破壊しようとしたレギュラス・アークタルス・ブラックです。
シリウス・ブラックの経歴
1959年~1960年頃|誕生
純血の魔法使いの名家として知られるブラック家の長男として生まれました。
1971年〜1978年|ホグワーツ学生時代
家族の多くがスリザリン寮出身であったのに対し、シリウスはグリフィンドール寮に組分けされました。
このことは、家族との価値観の違いが明確になる一つのきっかけとなったようです。
ホグワーツでは、ジェームズ・ポッター、リーマス・ルーピン、ピーター・ペティグリューと出会い、生涯にわたる親友となります。彼らと共に「悪戯仕掛け人(Marauders)」として学校生活を送り、有名な「忍びの地図」を作成されました。
また、狼人間である親友リーマス・ルーピンを支えるため、学校の規則に反して非合法に動物もどし(アニメーガス)を習得し、大きな黒い犬(パッドフット)の姿に変身できる能力を身につけました。
1975年~1976年頃(16歳頃)|ブラック家からの家出
純血を重んじ、闇の魔術に傾倒するご家族との考え方の違いから確執が深まり、16歳の時に家を出ることを決意しました。
その後は、親友であるジェームズ・ポッターのご家族に温かく迎え入れられます。この家出が原因で、実の母親によってブラック家の家系図からシリウスの名前は焼かれてしまいました。
1978年頃(18歳頃)|ホグワーツ卒業と第一次魔法戦争への参加
ホグワーツを卒業後、ヴォルデモート卿が台頭し魔法界が混乱していた第一次魔法戦争の時代を迎えます。
シリウスは、アルバス・ダンブルドアが率いる「不死鳥の騎士団」にオリジナルメンバーとして加わり、闇の勢力と勇敢に戦いました。
1980年7月31日|ハリーの誕生
親友であるジェームズ・ポッターとリリー・ポッターの間にハリーが生まれ、シリウスは名付け親となりました。
1981年10月31日〜|アズカバンへの投獄
ヴォルデモートがポッター夫妻を襲撃し殺害するという、魔法界を揺るがす悲劇が起こります。
この際、夫妻の秘密の守り人であったはずのピーター・ペティグリューが裏切り、ポッター夫妻の居場所をヴォルデモートに密告しました。シリウスは激しい怒りとともにペティグリューを追いつめますが、ペティグリューは12人のマグル(非魔法族)を巻き添えにして自らを爆死に見せかけ、ネズミの姿となって逃亡しました。
この結果、シリウスはペティグリュー殺害およびポッター夫妻裏切りの濡れ衣を着せられ、正式な裁判も受けることなくアズカバンに投獄されてしまいました。当時シリウスは21歳〜22歳という若さでした。
1981年~1993年|アズカバンでの12年間
無実の罪で、吸魂鬼(ディメンター)が看守を務める冷酷な魔法使いの刑務所アズカバンにて、実に12年もの長きにわたり過酷な日々を過ごされました。
彼がその絶望的な環境の中で正気を保ち続けられたのは、動物もどき(アニメーガス)の能力によって犬に変身することで、吸魂鬼の影響をある程度軽減できたからだと考えられています。
1993年|アズカバンからの脱獄
ある日、日刊予言者新聞に掲載されたウィーズリー一家の写真の中に、ネズミに変身したピーター・ペティグリュー(スキャバーズ)の姿を発見します。
真実を明らかにし、名付け子であるハリーを守るため、アズカバンからの脱獄を決行しました。当時シリウスは33歳か34歳頃で、これは歴史上、アズカバンから自力で脱獄した最初の事例として記録されています。
脱獄後、ホグワーツでハリーと再会を果たしますが、当初は両親を裏切った凶悪犯と誤解されていました。しかし、旧友リーマス・ルーピンの助けもあり、やがてその誤解は解け、真実が明らかになります。残念ながら、真犯人であるペティグリューが再び逃亡してしまったため、シリウスの無実は公には証明されず、魔法省から追われる身となってしまいました。
1993年~1995年|逃亡生活
魔法省から追われる身として、シリウスは再び隠れながらの生活を余儀なくされました。その困難な状況の中でも、ハリーとは秘密裏に連絡を取り合い、彼にとってかけがえのない精神的な支えであり続けました。
1995年|不死鳥の騎士団本部での生活
ヴォルデモートの復活という脅威が現実のものとなり、「不死鳥の騎士団」が再結成されることになりました。
シリウスは、かつて自身が嫌悪した生家であるブラック家の屋敷(ロンドンのグリモールド・プレイス12番地)を騎士団の本部として提供し、自身もそこで潜伏生活を送ることになります。しかし、依然として魔法省からお尋ね者であるため、屋敷の外に出ることはほとんど許されないという、もどかしい日々が続きました。
1996年6月頃|神秘部の戦いと死
ヴォルデモートが仕掛けた巧妙な罠により、ハリーたちが魔法省の神秘部に誘い込まれてしまいます。
シリウスは仲間たちと共にハリーたちの救出に向かい、そこで死喰い人(デスイーター)たちと激しい戦いを繰り広げました。戦いの最中、従妹でありながら宿敵でもあるベラトリックス・レストレンジの放った呪文を受け、神秘部にあった古いベールの向こうへと倒れ込み、帰らぬ人となってしまいました。シリウスは当時36歳か37歳頃でした。
動物もどき(アニメーガス)|「パッドフット」
シリウスは、魔法使いが特定の動物に変身できる「動物もどき(アニメーガス)」です。
彼は大きな黒い犬に変身することができ、学生時代の友人たちからはその姿から「パッドフット」というあだ名で呼ばれていました。この能力は、アズカバンからの脱獄や、ハリーを見守る際に役立ちました。
シリウス・ブラックの人物像と魅力
シリウス・ブラックが多くのファンに愛される理由の一つは、その人間味あふれるキャラクター性です。
性格|勇敢さと愛情深さ、そして危うさ
シリウスは非常に勇敢で、正義感と忠誠心が強い人物です。友人や愛する者を守るためには、自らの危険を顧みない大胆さを持っています。ハリーに対しては深い愛情を注ぎ、常に彼の身を案じていました。学生時代はジェームズと共に少々傲慢でいたずら好きな面もありましたが、根は情に厚い人物です。
一方で、長年のアズカバン生活や家族との確執からくる心の傷、そして衝動的で無鉄砲な一面も持ち合わせており、その危うさが彼の魅力に深みを与えているとも言えるでしょう。
外見と名前の由来
若い頃は非常にハンサムだったと描写されていますが、アズカバンでの過酷な生活により、初登場時はやつれ、長い黒髪が特徴的な姿でした。しかし、その瞳には強い意志の光が宿っていました。
「シリウス」という名前は、おおいぬ座で最も明るい恒星であるシリウス星に由来しています。これは彼が犬に変身することと見事にリンクしています。「ブラック」は彼の家名であり、闇の魔術と結びつきの強い名家であることを示唆していますが、彼はその運命に抗いました。
シリウスの所有品
両面鏡
シリウス・ブラックがハリー・ポッターに託した重要な魔法アイテムの一つに、「両面鏡」があります。
これは一対になった鏡で、片方の鏡を持っている人間がもう片方の鏡を持っている人間と、遠く離れていても互いの姿を映し出し会話することができるという、非常に便利なコミュニケーションツールです。
この鏡は、元々シリウスとハリーの父であるジェームズ・ポッターが、学生時代に離れていても連絡を取り合えるようにそれぞれ所有していたものです。ホグワーツで別々の罰則を受けた際などに、こっそり会話するために使っていたとされています。
シリウスの死後、彼が持っていた鏡はマンダンガス・フレッチャーによって盗まれ、最終的にホッグズ・ヘッドの店主でありアルバス・ダンブルドアの弟であるアバーフォース・ダンブルドアの手に渡ります。
物語終盤、『ハリー・ポッターと死の秘宝』において、ハリーが割れた鏡の破片を通して助けを求めた際、アバーフォースがその鏡を通してハリーの状況を把握し、ドビーを派遣してマルフォイの館からの脱出を助けるという重要な役割を果たしました。シリウスがハリーに残したこの鏡は、形見としてだけでなく、最終的にハリーの命を救う鍵の一つとなったのです。
空飛ぶバイク
シリウス・ブラックのもう一つの象徴的な所有物が、魔法で改造された「空飛ぶバイク」です。
このバイクは、ただの乗り物ではなく、シリウスの自由奔放な性格や、物語の重要な局面で活躍するキーアイテムとして描かれています。
『ハリー・ポッターと賢者の石』で、ヴォルデモートによって両親を殺害された赤ん坊のハリーを、ゴドリックの谷からダーズリー家へ送り届けるという重要な任務を帯びたルビウス・ハグリッドに、シリウスはこのバイクを貸し与えました。このおかげで、ハグリッドは迅速かつ安全にハリーを運ぶことができました。
J.K.ローリングが語るシリウス・ブラック
アズカバンへ送られる際の笑ったことについて
1981年にピーター・ペティグリューに裏切られ、ジェームズとリリーの死、そして自身が殺人の濡れ衣を着せられた直後、ハグリッドがシリウスに会ったとき、彼は笑っていたと描写されています。
ローリングはこれについて、2005年のインタビューで「ユーモアのない、空虚な笑いでした」と述べており、彼の絶望と衝撃の深さを表しています。
Yes, he laughed. He knew what he’d lost. It was a humourless laugh. Pettigrew... it turned out that he was a better wizard than they knew. Turned out he was better at hiding secrets than they knew.
ええ、彼は笑っていました。彼は自分が何を失ったか気がついたのです。それはユーモアのない、空虚な笑いでした。
ペティグリューは...予想より優れた魔法使いだった。そして、予想以上に秘密を隠すのがうまかったのです。ーJ.K. Rowling, Leaky Cauldron/Mugglenet interview, 16 July 2005
シリウスの死について
シリウスの死は多くのファンに衝撃を与えましたが、ローリングは物語のテーマ性やハリーの成長にとって必要な展開であったと説明しています。
彼女は、ハリーが保護者を失い、自立していく過程を描く上で、シリウスのような父親的存在の喪失が重要だったと語っています。また、戦争においては善良な人々も命を落とすという現実を描きたかったとも述べています。
まとめ
シリウス・ブラックは、「ハリー・ポッター」シリーズにおいて、悲劇的な運命に翻弄されながらも、愛と友情、そして正義のために生きた魅力的なキャラクターです。彼の勇敢さ、ハリーへの深い愛情、そして人間的な弱さも併せ持った複雑な人物像は、今もなお多くのファンの心を掴んで離しません。
彼の物語を知ることで、「ハリー・ポッター」シリーズの世界がより深く、より感動的なものになることは間違いないでしょう。この記事が、シリウス・ブラックという素晴らしいキャラクターへの理解を深める一助となれば幸いです。ぜひ、小説や映画で彼の活躍を改めて追体験してみてください。
【参考】
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