登場人物

ドラコ・マルフォイ

名前 ドラコ・ルシウス・マルフォイ
英名 Draco Lucius Malfoy
誕生 1980年6月5日
死去
性別 男性
血統 純血
職業 デスイーター
所属 スリザリン
家族 ・ルシウス・マルフォイ (父)
・ナルシッサ・マルフォイ (母)
・アステリア・グリーングラス(妻)
・スコーピウス・ハイペリオン・マルフォイ(息子)
サンザシ、ユニコーンのたてがみ、10インチ
守護霊 不明
まね妖怪 不明
演じた俳優 トム・フェルトン

ドラコ・マルフォイは、魔法界でも名高い純血の魔法族「マルフォイ家」の一人息子として生まれました。両親、特に父親のルシウスからは純血の優越性を徹底的に教え込まれ、その思想は彼の言動に大きな影響を与えています。ホグワーツ魔法魔術学校では、その出自と才能からスリザリン寮の監督生にも選ばれました。

この記事では、彼の経歴を時系列で整理し、重要人物との関係性、デスイーターとしての活動についても紹介します。

ドラコ・マルフォイとは何者?

ドラコ・マルフォイは、魔法界でも名高い純血の魔法族「マルフォイ家」の一人息子です。ホグワーツ魔法魔術学校ではハリーと同じ学年に所属し、スリザリン寮の代表的な生徒として強烈な個性を放ちます。

しかし物語が進むにつれ、ヴォルデモートの復活という過酷な運命に翻弄され、恐怖や良心の呵責、家族への思いの間で激しく葛藤します。単なる悪役ではなく、人間的な弱さや苦悩を抱える彼の複雑な内面が描かれます。

ドラコ・マルフォイの性格|傲慢さと脆さが同居する複雑な内面

ドラコ・マルフォイの性格は、一言で言えば「傲慢で意地悪」。しかし、その態度は彼の育った環境や内面の脆さの裏返しでもあります。

J.K.ローリングは、ドラコが抱えるコンプレックスや、父親からのプレッシャー、そして心の奥底にある一定の良識についても触れています。彼は必ずしも純粋な悪ではなく、むしろ恐怖や状況に流されやすい弱い人間であったとも解釈できます。

特にヴォルデモート卿の復活後は、デスイーターとしての任務を課せられ、そのプレッシャーと恐怖に苦悩する姿は、単なる悪役ではない人間的な側面を感じさせます。

守護霊(パトローナス)について

公式にはドラコ・マルフォイの守護霊が何であるかは明かされていません。

J.K.ローリングは、デスイーターのような闇の魔術に深く関わる者は、守護霊の呪文を効果的に使うことが難しい、あるいは使おうとしない傾向があると明らかにしており、ドラコが明確な守護霊を持たなかった可能性も考えられます。

ドラコ・マルフォイの経歴

1980年~1991年夏|幼少期~ホグワーツ入学前

1980年6月5日、ドラコは純血の魔法族の名家であるルシウス・マルフォイとナルシッサ・マルフォイ(旧姓ブラック)の間に、待望の一人息子として誕生しました。

イギリスのウィルトシャーに構える広大なマルフォイ家の荘園で、彼は何不自由ない幼少期を過ごします。この恵まれた環境の中で、両親からは純血の優越性を徹底的に教え込まれ、自然と選民思想を強く持つようになりました。

J.K.ローリングは、ドラコが「自分は特別な存在であり、ほぼ王族のようなものだと信じて育てられた」と記述しており、この幼少期の環境が彼の初期の性格形成に決定的な影響を与えたことを示唆しています。ホグワーツに入学する前から、彼は闇の魔術やデスイーターといった存在についても聞かされながら育っていったのです。

1991年~1994年|ホグワーツ入学~3年生

1991年の秋、ドラコはホグワーツ魔法魔術学校に入学し、希望通りスリザリン寮に組分けされました。

ホグワーツ特急の車内で初めてハリー・ポッターに遭遇した彼は、一方的に友情を申し出ますが拒絶され、これがきっかけで二人はライバル関係となります。入学後、ドラコはビンセント・クラッブとグレゴリー・ゴイルを常に取り巻きとして従えるようになりました。

1年生の時には、ハリーやその友人たちに対して度々嫌がらせを行い、父親ルシウスがチーム全員に最新の箒ニンバス2001を寄付したことで、クィディッチのスリザリン・チームのシーカーの座も手に入れます。

2年生の年には、「秘密の部屋」が開かれるという事件が発生し、ドラコはハリーがスリザリンの継承者ではないかと疑い、彼を陥れようと画策しました。

そして3年生になると、魔法生物飼育学の授業中にヒッポグリフのバックビークを挑発して腕を負傷し、これを理由にバックビークを危険な生物として処刑させようとするなど、問題行動は続きました。

1994年~1996年|4年生~5年生

4年生の時、三大魔法学校対抗試合が開催されると、ホグワーツ代表の一人に選ばれたハリーを中傷するバッジを作成・配布するなど、ドラコのハリーに対する嫌がらせは執拗に続きました。この頃には、父親ルシウスがデスイーターとして活動していることを誇示するような言動も目立つようになります。

そして5年生の時には、魔法省からドローレス・アンブリッジが「高級尋問官」としてホグワーツに派遣されると、ドラコは彼女に積極的に取り入り、「尋問官親衛隊」の一員となりました。その立場を利用して、ハリーが結成した「ダンブルドア軍団」の活動を妨害し、メンバーを捕らえようとします。

しかし、学年末に起きた神秘部の戦いで父親ルシウスが逮捕されるという事態に見舞われ、マルフォイ家の立場は大きく揺らぐことになります。

1996年~1998年|6年生~7年生

父親ルシウスの失態の代償として、6年生になったドラコは、ヴォルデモートからアルバス・ダンブルドア校長を殺害するという極めて困難な任務を命じられました。

J.K.ローリングによると、この任務はルシウスへの罰としての意味合いが強く、ヴォルデモートはドラコが失敗することも予期していたとされています。

この重すぎる任務のプレッシャーと恐怖から、彼は精神的に著しく追い詰められ、やつれた姿を見せるようになります。J.K.ローリングは、ドラコが心の底では殺人者になることを望んでおらず、その任務遂行能力もヴォルデモートが期待するほどではなかったと明らかにしています。

彼は姿をくらますキャビネット棚を使ってデスイーターをホグワーツ城内に侵入させることには成功したものの、最終的にダンブルドアにとどめを刺すことはできませんでした。その役目はセブルス・スネイプが果たしましたが、ドラコがダンブルドアを武装解除したという事実が、意図せずとも彼をダンブルドアの杖(ニワトコの杖)の忠誠心を一時的に得たことになります。

7年生の年には、マルフォイ家がデスイーターの拠点の一つとなり、緊迫した日々を送りました。ハリーたちが捕らえられ連行された際には、ドラコはハリーだと気づきながらも、どこかためらいを見せる場面もありました。

そしてホグワーツの最終決戦では、当初ヴォルデモート側にいましたが、戦闘の混乱の中でハリーに命を救われるという経験もします。最終的に、母親ナルシッサがハリーの生存をヴォルデモートに偽って報告するという大胆な行動に出たこともあり、マルフォイ家は終戦後、デスイーターとしての罪を完全に問われることは免れました。

1998年~「呪いの子」以前|ヴォルデモート終焉後~成人期

ヴォルデモートとの永きにわたる戦いが終結した後、マルフォイ家は魔法界での失墜した信頼の回復に努めることとなりました。ドラコ自身もまた、過去の過ちと真摯に向き合い、かつて強く抱いていた純血主義的な考え方を徐々に改めていきます。

その後、彼はアステリア・グリーングラスと結婚しました。アステリアもまた純血の家柄でしたが、家族ともに比較的寛容な価値観を持っており、ナルシッサはアステリアを「純血の娘としてふさわしい」とは完全には認めていなかったとされています。

二人の間には一人息子、スコーピウス・ハイペリオン・マルフォイが誕生しました。ドラコは、自身が両親から受けたような純血の思想をスコーピウスに押し付けることはありませんでした

スコーピウスをより良い人間として育てることは、ドラコにとって重要な意味を持っていたのです。また、成人後のドラコは、必ずしも特定の職業には就いていないものの、マルフォイ家の資産で生活しており、趣味として錬金術の研究に没頭する時間もあったとJ.K.ローリングは述べています。これは、彼が闇の魔術とは異なる知的な探求に関心を移したことを示しているのかもしれません。

2020年頃~|「ハリー・ポッターと呪いの子」の時代

2017年、ドラコの息子スコーピウスがホグワーツに入学し、そこでハリー・ポッターの次男アルバス・セブルス・ポッターと出会い、二人は親友となります。しかしその数年後、2020年頃にドラコは妻アステリアを亡くすという悲しみに見舞われます。

その後、アルバスとスコーピウスが過去を変えようとする危険な冒険に巻き込まれてしまう事件が発生します。この時、ドラコはかつての宿敵であったハリー・ポッターと協力し、息子たちを救うために奔走しました。この一連の出来事を通して、長年反目し合ってきたハリーとの間に、確かな理解と友情に近い感情が芽生えることになったのです。この時期のドラコは、父親として、そして一人の人間としての顕著な成長を見せています。

登場作品

まとめ

この記事では、「ハリー・ポッター」シリーズにおける最も印象的なキャラクターの一人、ドラコ・マルフォイについて、その基本情報から複雑な内面、作中での役割、そして「呪いの子」で見られる成長した姿に至るまで、多角的に掘り下げてきました。

純血の名家マルフォイ家の御曹司として、当初は傲慢でハリーの純粋な敵対者として登場したドラコ。
しかし、物語が進むにつれて、彼は単なる悪役という枠には収まらない人間的な弱さ、家族への愛、そしてヴォルデモート卿の支配下で経験する恐怖と葛藤を露わにしていきます。その苦悩する姿は、多くの読者に強烈な印象を残しました。

J.K.ローリングは、彼が本質的に殺人者ではなかったこと、そして彼の行動の多くが恐怖に根差していたことを示しています。

この記事を通して、ドラコ・マルフォイという人物の多層的な魅力に改めて触れていただけたなら幸いです。

【参考】
Draco Malfoy By J.K. Rowling

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