ヴォルデモートといえば「最も偉大な悪役ランキング」第9位(エンパイア誌調べ)に君臨するなど、目的のためには手段を選ばないその残忍さと、蛇のような姿で人々を恐怖のどん底へ陥れていました。映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズのメインヴィランであるグリンデルバルドの恐ろしさとはまた違った魅力があるキャラクターです。映画でこの役を演じたのはレイフ・ファインズ。スピルバーグ監督作『シンドラーのリスト』のアーモン・ゲート役で評価され英国アカデミー賞を受賞するなど、イギリスを代表する素晴らしい俳優です。
Digital Spyによると、先日出演したトーク番組『The Jonathan Ross Show』内で、オファーされた当初は出演を断っていたことを明かしました。
実は映画も小説のことも全く知らなかったんだ。製作プロダクションに話を持ちかけられて、マイク・ニューウェルが監督する映画に、ヴォルデモートの姿の初登場として出演して欲しいと言われてね。
よく知らずに、これは自分がやるべきではないだろうと思った。バカなことに、出演を渋っていたんだよ。これを変える決め手となったのは妹のマーサだ。当時8歳、10歳、12歳になる3人の子供がいた彼女に「何言ってるの?やらなきゃダメでしょ!」って言われて、それがきっかけて考え直した。
同じく映画の世界で活躍するマーサ・ファインズのおかげで、あのアイコン的な悪役が誕生したことに、ファンとしては感謝するばかり。
さらに、番組内で映画『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』ラストで、ハリーの額に触れる際の「今はお前に触れることができる(I can touch you now)」という名台詞をその場で披露。これには観客も大歓声でした。
また、ヴォルデモートの恐ろしさを表現する上で、「これは大成功だ」と思った出来事があるそうで、
ある日、スクリプトスーパーバイザーの息子の前を通り過ぎる時にチラッと顔を向けたら、基本的なメイクだけで”鼻もあった”のに大号泣し始めたんだ。
と話しました。
‘He is one of the finest actors this country has ever produced – Mr Ralph Fiennes!’ #TheJRShow @ITV@WeAreSTV pic.twitter.com/vJbrsCjq0q
— Jonathan Ross Show (@JRossShow) March 16, 2019
後日、BBCのNewsnightで放送されたインタビューでは、「もう小説にあるヴォルデモートの話は完結してしまった」と話すインタビュアーに対し、
まあ、バリアントとかもあるしね。ファンタスティック・ビーストと〇〇みたいな。
と笑いながらコメント。さらには、「またヴォルデモートを演じたいですか?」との質問には、
ヴォルデモートには愛着のようなものがある。もしヴォルデモートが戻ってくることがあるならば、ぜひオファーを受けたいよ。
と、前向きな姿勢を見せました。
『炎のゴブレット』が制作された15年前にはヴォルデモート役を断っていたのが、今ではまた戻ってくるかもしれないことを示唆するレイフ・ファインズ。
5部作となることが発表されている『ファンタスティック・ビースト』シリーズは、最終作で1945年のグリンデルバルドとダンブルドアの決闘が描かれると噂されています。一方、ヴォルデモートことトム・リドルは、1943年に手なずけたバジリスクで嘆きのマートルを殺害。1945年にホグワーツを卒業し、教職を希望するもダンブルドアの進言によってディペット校長に断られます。そして、1945年といえば第二次世界大戦の終戦の年。
このように、1945年は大きな戦いが終わったとともに、グリンデルバルドからヴォルデモートへ時代が移り変わった年であると言えるでしょう。ヴォルデモートがファンタビに登場する可能性はゼロとは断定できないことから、レイフ・ファインズが再びヴォルデモートを演じる日が来るかもしれません。
Source: Harry Potter's Ralph Fiennes reveals why he almost turned down Voldemort role