呪文

レペロ・マグルタム

呪文名 レペロ・マグルタム
マグルを避けよ
英名 Repello Muggletum
分類 チャーム
効果 マグルを避ける

レペロ・マグルタム(Repello Muggletum)」とは、マグル(非魔法族)を特定の場所から遠ざけるための呪文です。

この記事では、基本的な意味や効果語源、そして作中での具体的な使用場面を徹底的に解説します。さらに、なぜ魔法界でこのような「マグル避け」の呪文が必要なのか、その重要性にも迫ります。

レペロ・マグルタムとは?|マグル避け

まずは、「レペロ・マグルタム」がどのような呪文なのか、基本的な情報を見ていきましょう。

呪文の効果

レペロ・マグルタムは、「マグル避け呪文」または「マグル撃退呪文」です。この呪文がかけられた場所や物に対して、マグル(非魔法族の人々)が近づこうとすると、以下のような効果が現れます。

  • 急な用事を思い出す: 「ああ、あれをやらなきゃいけないんだった!」と、急に別の重要な用事を思い出し、その場を離れてしまいます。
  • 方向感覚を失う・道に迷う: その場所にたどり着けなくなったり、なぜそこへ行こうとしていたのか忘れてしまったりします。
  • その場所への興味を失う: なんとなく「行く必要はないな」「別の場所に行こう」という気分にさせられます。

このように、マグル本人に危害を加えることなく、ごく自然な形で特定のエリアから遠ざける効果があります。魔法使いが自分たちの存在や魔法界の秘密をマグルから隠すために、非常に重要な役割を担っています。

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呪文の語源・由来は?

呪文の名前には、その効果や性質を示すヒントが隠されていることがよくあります。「レペロ・マグルタム」の語源を探ってみましょう。

  • Repello(レペロ): これはラテン語の「repellere」に由来し、「追い払う」「撃退する」「寄せ付けない」といった意味を持ちます。
  • Muggletum(マグルタム): これは「マグル(Muggle)」から派生した言葉と考えられます。「マグルに関するもの」や「マグルの領域」といったニュアンスでしょうか。

つまり、「レペロ・マグルタム」は文字通り「マグルを追い払う」という意味合いを持つ呪文名なのです。

なぜマグル避けの呪文が必要なのか?その重要性

魔法界では、なぜこれほどまでにマグルを遠ざける必要があるのでしょうか。

魔法界の隠蔽と国際魔法機密保持法

最大の理由は、「国際魔法機密保持法(International Statute of Secrecy)」の存在です。これは、魔法界の存在をマグルから完全に隠蔽することを定めた国際的な法律です。過去に魔法使いとマグルの間で起こった悲劇的な対立(魔女狩りなど)を繰り返しさないため、そして両者の世界の平和を維持するために、この法律は非常に厳格に守られています。

レペロ・マグルタムは、この国際魔法機密保持法を遵守し、魔法の存在をマグルに知られないようにするための実用的な手段の一つなのです。

魔法使いとマグルの安全確保

魔法の存在が公になれば、マグル社会に大きな混乱を引き起こす可能性があります。また、魔法を悪用しようとするマグルや、逆に魔法使いを恐れて迫害しようとするマグルが現れないとも限りません。

レペロ・マグルタムのような呪文は、魔法使いが平穏に暮らすため、そしてマグルが無用なパニックや危険に巻き込まれないようにするために、双方の安全を守る役割も担っています。

レペロ・マグルタムと関連する呪文

魔法界には、レペロ・マグルタム以外にも、場所を隠したり、人の記憶を操作したりすることで、魔法の秘密を守るための呪文がいくつか存在します。

姿くらまし術

対象者自身や物を、周囲の景色に溶け込ませて見えにくくする呪文。物理的に隠す効果があります。

目くらまし術

しばしばレペロ・マグルタムと同じものとして扱われたり、非常に類似した効果を持つ呪文として言及されます。

オブリビエイト|忘却術

マグルが魔法を目撃してしまった場合に、その記憶を修正したり消去したりする呪文。魔法省の魔法事故惨事部などが使用します。

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オブリビエイト

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忠誠の呪

特定の秘密を「秘密の守人」ひとりの魂の中に隠す、非常に強力で複雑な呪文。グリモールド・プレイス12番地の隠れ家も、この呪文で守られていました。

プロテゴ|防御呪文

「プロテゴ・トタラム」のように、特定の範囲を物理的・魔法的に守る呪文。レペロ・マグルタムと併用されることで、より強固な防衛が可能になります。

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プロテゴ

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これらの呪文が、状況に応じて使い分けられたり、組み合わせて使用されたりすることで、魔法界の秘密は巧妙に守られているのです。

レペロ・マグルタムの名シーンを振り返る

「レペロ・マグルタム」は、魔法界の秘密を守るために不可欠な呪文であり、物語の様々な局面でその効果が発揮されています。

ホグワーツ魔法魔術学校

ホグワーツ魔法魔術学校そのものが、マグル避けの魔法で強力に守られています。もしマグルがホグワーツに近づいたとしても、彼らの目には「立ち入り禁止 危険」という看板が立つ、電気も通っていない古びた廃墟にしか見えないようにされています。

これは、学校の創設以来施されてきた複雑で高度な魔法の一つであり、「レペロ・マグルタム」と同様の、あるいはさらに強力なマグルを寄せ付けないための呪文が恒常的に機能している結果です。これにより、何世紀にもわたり、ホグワーツはその存在をマグル社会から完全に隠し通し、魔法教育の場としての安全を保ってきたのです。

映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』では、ノーマジであるジェイコブのみホグワーツが見えず、全く関係ない方向を見つめています。

参考【ファンタビ】『黒い魔法使いの誕生』に隠された裏設定・トリビアを徹底解説!

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ハリー・ポッターと炎のゴブレット|クィディッチ・ワールドカップ

クィディッチ・ワールドカップでは、世界中から数十万人の魔法使いが開催地に集結します。これほど大規模な魔法イベントをマグルに気づかれずに行うため、会場となった荒れ地には魔法省によって何重ものマグル避けの呪文が施されました。その中核をなすのが「レペロ・マグルタム」のような呪文です。

もしマグルが会場に近づこうとしても、急用を思い出したり、道に迷ったりして自然と遠ざかるように仕向けられていました。これにより、魔法界最大のスポーツイベントは、マグルの目を完全に欺き、秘密裏に開催されることが可能となったのです。アーサー・ウィーズリーも、その巧妙なマグル避けの仕組みについて言及しています。

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団|グリモールド・プレイス12番地

不死鳥の騎士団の本部があるロンドンの「グリモールド・プレイス12番地」は、マグルには見えないように強力な魔法で隠されています。この屋敷は「忠誠の呪」によって秘密の守人以外にはその存在を知ることができませんが、それに加えて「レペロ・マグルタム」もかけられていると考えられます。

これにより、たとえマグルの住人が隣接する家々に住んでいても、12番地の存在に気づいたり、誤って敷地内に立ち入ったりすることはありません。騎士団の活動という極めて重要な機密を守るために、マグルを効果的に遠ざけるこの呪文は不可欠でした。

ハリー・ポッターと死の秘宝|ハリーたちの逃避行と隠れ家

ヴォルデモートとその勢力から逃れるため、ハリー、ロン、ハーマイオニーはイギリス各地を転々としながら隠れ家で生活します。その際、ハーマイオニーが野営地の周囲に幾重もの防御呪文を施しますが、その中に「レペロ・マグルタム」も含まれていました。

彼女は、「サルビオ・ヘクシア」「プロテゴ・トタラム」「レペロ・マグルタム」「マフリアート」といった呪文を組み合わせて唱えることで、マグルだけでなく、死喰い人などの敵からも隠れ家の位置を特定されにくくし、安全を確保していました。この呪文は、彼らが追手から逃れ、分霊箱探しの旅を続ける上で生命線となりました。

登場作品

 

まとめ|レペロ・マグルタムが示す魔法界のあり方

「レペロ・マグルタム」は、ハリー・ポッターの物語において、決して派手な攻撃呪文や便利な生活呪文ではありませんが、魔法界の根幹を支える非常に重要な呪文の一つです。

この呪文の存在は、魔法使いとマグルが異なる世界で共存していくための知恵と、過去の教訓から生まれた秩序維持のシステムを象徴しています。マグルを傷つけることなく、ただ静かに遠ざけるという効果は、魔法界のデリケートな立場と、マグル社会への配慮を示していると言えるでしょう。

「レペロ・マグルタム」を知ることで、ハリー・ポッターの世界が持つ奥深さや、巧妙に作り込まれた設定に、改めて気づかされるのではないでしょうか。

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