呪文 | プロテゴ 護れ |
英名 | Protego |
種類 | チャーム |
用途 | 魔法の盾を出現させる |
Contents
プロテゴとは?盾の呪文
呪文の効果
術者の前に目に見えない魔法の盾を出現させ、多くの呪文や物理的な攻撃から身を守ります。
攻撃を跳ね返したり、その威力を減衰させたりする効果があります。術者の力量や集中力によって、その防御力は変動すると考えられます。
呪文の語源・由来は?
「プロテゴ」という言葉は、ラテン語の動詞 "protego" に由来します。
これは「私は覆う」「私は守る」「私は保護する」といった意味を持ち、呪文の効果を的確に表しています。ハリー・ポッターの世界では、多くの呪文がラテン語を語源としており、プロテゴもその一つです。
プロテゴで防げるもの、防げないもの
プロテゴは万能の盾ではありませんが、多くの脅威から術者を守る力を持っています。
プロテゴによって防ぐことが期待できるのは、まず多くの基本的な呪文です。例えば、戦闘で頻繁に使われる失神呪文「ステューピファイ」や、相手の杖を弾き飛ばして武装解除させる「エクスペリアームス」といった攻撃呪文の多くを、プロテゴは跳ね返したり、その効果を軽減したりすることが可能です。
さらに、呪文だけでなく、投げられた石や小物といった比較的軽い物理的な攻撃からも、術者の身を効果的に守ることができます。
一方で、プロテゴにも限界があり、防げない、または防ぎきれない可能性が高いものも存在します。
防げない呪文|許されざる呪文
プロテゴで防ぐことのできない代表的な呪文は、「許されざる呪文」です。
アバダ・ケダブラ (Avada Kedavra) |死の呪い
この呪文は、プロテゴを含むいかなる盾の呪文でも防ぐことができないとされています。
唯一この呪いを生き延びたのは、リリー・ポッターの愛による自己犠牲の魔法によって守られた幼いハリーだけです。
クルーシオ (Crucio) |磔の呪い
相手に耐え難い苦痛を与えるこの呪文も、プロテゴで完全に防ぐことは難しいと考えられます。
インペリオ (Imperio) |服従の呪い
相手の精神を支配する呪文であり、物理的な盾であるプロテゴでは防ぐことができません。これに対抗するには、強い意志力が必要です。
プロテゴの派生呪文|より強力な守りの形
基本的な「プロテゴ」から派生し、より広範囲を、より強力に守るための上位呪文が存在します。これらは特に、複数の人間や広大な場所を守る際に使用されます。
プロテゴ・トタラム|広範囲を持続的に守る
- 詠唱: 「プロテゴ・トタラム (Protego Totalum)」
- 語源: "Totalum" はラテン語の "totus" (全体の、全ての) に由来し、「万全の守り」といった意味合いです。
- 効果: 特定の空間や範囲(例: テントの周囲、部屋全体など)を持続的に守るための防御呪文です。第7巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』では、ハリー、ロン、ハーマイオニーが分霊箱を探す旅の途中で、野営する際にハーマイオニーが幾重にも重ねて使用し、外部からの侵入や感知を防ぎました。
プロテゴ・ホリビリス|強大な闇の魔術への対抗
- 詠唱: 「プロテゴ・ホリビリス (Protego Horribilis)」
- 語源: "Horribilis" はラテン語で「恐ろしい、ぞっとするような」を意味し、「恐ろしきものから守れ」という強い意志が込められています。
- 効果: プロテゴ・トタラムよりもさらに強力で、特に強大な闇の魔術や広範囲に及ぶ攻撃を防ぐために使用されます。第7巻のホグワーツの戦いにおいて、フィリウス・フリットウィック教授がホグワーツ城全体を守るためにこの呪文を唱え、他の教授たちと共に城の防衛線を強化しました。
プロテゴ・マキシマ|最大級の防御魔法
- 詠唱: 「プロテゴ・マキシマ (Protego Maxima)」
- 語源: "Maxima" はラテン語で「最大の、最も偉大な」を意味し、「最大の守りを」という文字通りの効果を示唆します。
- 効果: プロテゴ系の呪文の中で、広範囲を極めて強力に守るための呪文の一つです。しばしば「プロテゴ・ホリビリス」や「フィーアント・デュリ」(呪文の効果を強化する)などと組み合わせて使用され、非常に堅固な魔法の防壁を築き上げます。これもホグワーツの戦いで、城を守るために教授陣によって使用されました。
これらの派生呪文は、より高度な魔法技術と大きな魔力を必要とすると考えられます。
プロテゴの名シーンを振り返る
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
ダンブルドア軍団の秘密の練習で、ハリーがメンバーに「武装解除呪文(エクスペリアームス)」などと共に「盾の呪文(プロテゴ)」を教えるシーンは印象的です。これが後の戦いで彼らが生き延びるための重要なスキルとなりました。
神秘部の戦いでは、多くのメンバーがプロテゴを駆使してデスイーターたちと渡り合いました。
また、閉心術の訓練中にスネイプの記憶に侵入してしまったのは、プロテゴでスネイプの開心術を防ごうとした結果でした。
ハリー・ポッターと謎のプリンス
セブルス・スネイプが「闇の魔術に対する防衛術」の授業で、言葉を発しない無言呪文としてのプロテゴの重要性を説く場面があります。
ハリー・ポッターと死の秘宝
ハーマイオニーは、隠れ穴やテントの周囲に「プロテゴ・トタラム」や「サルビオ・ヘクシア」、「レペロ・イニミカム」など複数の防御呪文を張り巡らせ、驚くべき魔法の才能を発揮します。
ホグワーツの戦いでは、フリットウィック教授やマクゴナガル教授、モリー・ウィーズリーなどが「プロテゴ・ホリビリス」や「プロテゴ・マキシマ」を駆使し、ヴォルデモート軍の猛攻からホグワーツ城と生徒たちを守るために奮闘します。
登場作品
まとめ|プロテゴは守りの要
盾の呪文「プロテゴ」とその派生呪文は、「ハリー・ポッター」の物語において、登場人物たちが危険な状況を生き抜くために不可欠な魔法でした。基本的な防御から、広大な範囲を守る強力な結界まで、その用途は多岐にわたります。
許されざる呪文のような絶対的な攻撃には無力であるという限界はあるものの、プロテゴは術者の勇気と仲間を守りたいという強い意志を象徴する呪文の一つと言えるでしょう。
この記事を読んで、「プロテゴ」の魅力や奥深さを再発見していただけたなら幸いです。ぜひ原作を読み返したり、映画を見返したりして、登場人物たちがどのようにプロテゴを駆使しているか、改めて注目してみてください。