呪文

開心術(レジリメンス)

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呪文名 レジリメンス
開心術
英名 Legilimens
分類 チャーム
効果 相手の感情や記憶を読み取る

「開心術/レジリメンス(Legilimens)」とは、呪文をかけた相手の感情や記憶を読み取る呪文

能力を持つ魔法使いや魔女を指す言葉でもあります。

ヴォルデモート卿やスネイプ先生が巧みに操ったこの魔法は、物語の鍵を握る重要な要素の一つ。

この記事では、効果や語源開心術の使い手、開心術から守るための「閉心術」まで、その魅力と恐ろしさを徹底解剖します。

概要

『開心術』だ、ポッター。他人の心に侵入し、その感情や記憶を読みとる魔法だ。闇の帝王はこの開心術の特に優れた使い手だと、卿も気づいていよう

そして、卿が閉心術――他人の心の侵入から自分を守る術――を習得せねばならぬのは、そのためだ

ー『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』第24章「開心術」

呪文の効果

開心術(レジリメンス)は、他人の心の中に入り込み、感情、記憶、思考を読み取る魔法です。

単に言葉にしていない考えを読むだけでなく、より深い層にある過去の記憶や隠された感情にまでアクセスすることができます。

熟練した開心術士は、相手が意識的に隠そうとしている情報や、本人すら明確に自覚していない深層心理まで見抜くことができると言われています。

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呪文の語源・由来は?

「開心術/レジリメンス(Legilimency)」という言葉自体の語源は、主にラテン語に由来すると考えられています。

  • "Legere"(レゲレ): ラテン語で「読む」「集める」「選ぶ」といった意味を持つ動詞です。
  • "Mens"(メンス): ラテン語で「心」「精神」「知性」「理性」を意味する名詞です。

これらを組み合わせると、「心を読む」という意味合いになり、開心術が他者の思考や感情、記憶を読み取る魔法であることと合致しています。

このように、J.K.ローリング氏は、魔法の名称にラテン語やその他の古典言語の要素を取り入れ、その魔法の本質を示すネーミングをすることが多いです。

開心術は何のために使われる?その目的と用途

開心術は、その強力な効果ゆえに様々な目的で用いられます。

  • 情報収集・尋問: 相手が隠している重要な情報を引き出すために使われます。魔法省の尋問などで用いられる可能性も示唆されています。
  • 嘘の看破: 会話の相手が嘘をついているかどうか、その真意を見抜くために使用されます。
  • 支配・操作: 相手の心に影響を与え、精神的に支配したり、特定の行動を取るように仕向けたりすることも可能です。ヴォルデモート卿がこの目的で多用しました。
  • 教育・訓練: スネイプがハリーに閉心術を教える際、開心術を使ってハリーの心の防御が機能しているかを確認しました。これは、開心術が教育的な目的で使われる稀な例です。

その効果の高さから、開心術の使用は相手のプライバシーを著しく侵害する行為であり、倫理的な問題もはらんでいます。

開心術から心を守る!閉心術とは?

このように強力な開心術ですが、それに対抗し、自分の心を守るための魔法も存在します。それが「閉心術(オクルメンシー / Occlumency)」です。

閉心術は、自分の心と思考を外部からの侵入(特に開心術によるもの)から守るための魔法技術です。具体的には、以下のような方法で心を閉ざします。

  • 感情を無にする: 感情の起伏をなくし、開心術士に読み取られる情報を少なくします。
  • 心を空にする: 頭の中を空っぽにし、思考を停止させることで侵入を防ぎます。
  • 偽りのイメージで覆う: 開心術士が侵入してきた場合に備え、偽の記憶や感情で心を覆い、本心を隠します。

閉心術の習得は非常に難しく、強い精神力、自己制御能力、そして集中的な訓練が必要です。ハリー・ポッターはヴォルデモート卿からの精神的な侵入に対抗するため、スネイプから閉心術の個人教授を受けましたが、感情のコントロールに苦労し、習得は困難を極めました。

開心術の主な使い手は誰?

作中で開心術の能力を持つことが明確に描写されている、または示唆されている主な登場人物は以下の通りです。

セブルス・スネイプ

ホグワーツ魔法魔術学校の魔法薬学教師。

非常に高度な開心術士であり、同時に開心術から自身を守る「閉心術」にも長けていました。ハリー・ポッターに閉心術を教えようとしましたが、その指導は厳しいものでした。

ヴォルデモート(トム・リドル)

史上最も危険と恐れられた闇の魔法使い。

極めて強力な開心術士であり、他者の心を読んで操ったり、情報を引き出したり、精神的な苦痛を与えたりするためにこの能力を頻繁に用いました。特にハリー・ポッターとは特殊な精神的繋がりがあり、開心術を通じてハリーの心を覗き見ようとしました。

アルバス・ダンブルドア

ホグワーツ魔法魔術学校の校長であり、ヴォルデモート卿が唯一恐れたと言われる偉大な魔法使い。

非常に優れた開心術士であったと考えられますが、他者の心を覗くことを好まず、作中で積極的に開心術を使用する描写は少ないです。しかし、他者の感情や思考を深く理解する洞察力は、開心術の素養の表れとも言えるでしょう。

クイニー・ゴールドスタイン

『ファンタスティック・ビースト』シリーズに登場する、 アメリカ合衆国魔法議会(MACUSA)の職員。

「ハリー・ポッター」シリーズの時代より少し前の物語に登場するキャラクターですが、彼女は生まれつき非常に高い開心術の能力を持っています。訓練せずとも周囲の人々の思考や感情が流れ込んでくるため、苦労する描写も見られます。

開心術の名シーンを振り返る

ハリー・ポッターと秘密の部屋

本作でも「開心術」が明確に使用される場面はありませんが、トム・リドルの日記がジニー・ウィーズリーの心に深く影響を与え、操る描写があります。

これは厳密な意味での開心術とは異なりますが、他者の精神に入り込み、感情や行動をコントロールするという点で、開心術の危険な側面と共通する要素を持っています。リドル(若き日のヴォルデモート)が他者の精神を支配する能力の片鱗を見せていると言えるでしょう。

この経験は、後のヴォルデモートによる精神攻撃への警鐘ともなっています。

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

本作で開心術は物語の核心的な要素として登場します。

ヴォルデモートがハリーとの精神的な繋がりを利用して、ハリーの心を覗き見たり、偽のビジョン(シリウスが魔法省で拷問されている場面など)を見せたりして操ろうとします。これに対抗するため、ダンブルドアの指示でスネイプがハリーに「閉心術」を教えることになります。

この特訓の中でスネイプは開心術を使い、ハリーの過去の辛い記憶や屈辱的な場面を強制的に引きずり出し、ハリーは激しい抵抗を見せます。開心術の具体的な効果と、それに対する防御の必要性が明確に描かれた巻です。

ハリー・ポッターと謎のプリンス

本作では、スネイプが開心術に長けていることがより明確に描写されます。

彼はドラコ・マルフォイの苦悩や任務の遂行状況を、開心術を用いて見抜いていた可能性が強く示唆されます。また、ベラトリックス・レストレンジがスネイプの忠誠心を試すために開心術を使おうとしますが、スネイプは巧みな閉心術でそれを防ぎ、逆にベラトリックスを欺きます。

ダンブルドアも、ホラス・スラグホーンの改竄された記憶の奥にある真実を見抜くなど、優れた洞察力を見せ、これも開心術的な能力の一端と言えるでしょう。開心術が情報戦や心理戦において重要な役割を果たすことが描かれています。

ハリー・ポッターと死の秘宝

ヴォルデモートとハリーの精神的な繋がりを通じた開心術の攻防がクライマックスに達します。

ヴォルデモートは分霊箱(ホークラックス)の破壊が進むにつれて焦りを募らせ、ハリーの心を頻繁に覗き見ようとします。

一方、ハリーも意図せずヴォルデモートの思考や居場所を感じ取ることがあり、これが重要な情報を得る手がかりにもなります。

登場作品

まとめ

開心術(レジリメンス)は、他者の心を読むという強力な効果を持つ魔法であり、「ハリー・ポッター」の物語に深みとスリルを与える重要な要素です。ヴォルデモート卿のような闇の魔法使いにとっては恐ろしい支配の道具となり、スネイプのような複雑な立場にある人物にとっては真意を隠すための盾ともなりました。

そして、それに対抗する閉心術の存在は、精神的な強さと自己制御の重要性を示唆しています。

「ハリー・ポッター」シリーズを読み返す際には、この開心術と閉心術がどのように物語に関わっているかに注目してみると、新たな発見があるかもしれません。

【参考】
レジリメンス|ハリー・ポッター

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