登場人物

バーサ・ジョーンズ

名前 バーサ・ジョーンズ 
英名 Bertha Jorkins
誕生 不明
死去 1994年の夏
性別 女性
血統 不明
職業 魔法省職員(魔法ゲーム・スポーツ部)
所属 不明
演じた俳優

「ハリー・ポッター」シリーズには、物語の歯車を大きく動かしながらも、あまり目立たないキャラクターが存在します。その代表格が、今回ご紹介する「バーサ・ジョーンズ」です。

彼女は直接的な登場シーンこそ少ないものの、その行動と運命がヴォルデモート卿の復活という、物語全体の大きな転換点を引き起こしました

この記事では、バーサ・ジョーンズとは一体何者だったのか、その経歴をたどりながら、彼女がなぜ物語に不可欠な存在だったのか、その悲劇の全貌を深く掘り下げていきます。

バーサ・ジョーンズとは何者?| 物語の鍵の魔女

バーサ・ジョーンズは、魔法省に勤務する魔女でした。

彼女の性格は、他の登場人物から「ゴシップ好きで詮索好き」「ひどく忘れっぽい」「少し頭が弱い」と評されています。特に、学生時代から彼女を知るシリウス・ブラックは、彼女のことを「鼻を突っ込んではいけないところに突っ込むのが好きだった」と語っており、その性格が彼女の運命を大きく左右することになります。

この詮索好きな性格と、重要なことを忘れてしまうというアンバランスさが、後に彼女自身を最大の危機へと導いてしまうのです。

経歴

バーサ・ジョーンズの人生は、ホグワーツでの学生時代から魔法省でのキャリア、そして悲劇的な最期へと続きます。年代を追って彼女の経歴を見ていきましょう。

ホグワーツ学生時代

バーサ・ジョーンズがホグワーツ魔法魔術学校のどの寮に所属していたか、公式には明らかにされていません。しかし、リリー・ポッターセブルス・スネイプ、リーマス・ルーピンといった主要人物たちと近い時代に在籍していたことは確かです。

ルーピンやシリウスが彼女の性格をよく知っていたことから、学生時代から彼女の噂好きで忘れっぽい性格は有名だったのかもしれません。

ホグワーツという狭いコミュニティの中で、彼女は様々な情報を聞きつけては、それを誰かに話すような生徒だったと想像できます。この頃に形成された性格が、後の人生に暗い影を落とすことになるとは、誰も知る由もありませんでした。

魔法省時代

ホグワーツ卒業後、バーサは魔法省に就職し、「魔法ゲーム・スポーツ部」に配属されました。この部署は、クィディッチ・ワールドカップや三大魔法学校対抗試合といった大きなイベントを管轄しており、彼女の上司はルード・バグマンでした。

しかし、ここでも彼女の忘れっぽさは健在で、重要な書類を置き忘れたり、秘密の情報をうっかり漏らしてしまったりと、トラブルが絶えなかったようです。上司のバグマンは、そんな彼女の性格を利用して自身の賭博問題を誤魔化すなど、彼女は周囲から都合よく扱われていた側面もありました。

運命の転換点|アルバニアでの失踪 

ある夏、バーサは休暇を利用してアルバニアへ旅行に出かけます。この旅行が、彼女の運命を決定づける悲劇の始まりでした。アルバニアの森深くには、力を失ったヴォルデモート卿が、忠実なしもべであるピーター・ペティグリュー(ワームテール)と共に潜んでいたのです。

バーサは不運にも、森の中の宿屋でピーター・ペティグリューと遭遇してしまいます。彼女はピーターがシリウス・ブラックに殺されたと信じていましたが、目の前の男が本人であることに気づき、問い詰めたことで捕らえられてしまいました。そして、ヴォルデモート卿の元へと連行されてしまうのです。

悲劇的な最期

ヴォルデモート卿は、バーサが魔法省職員であることを知ると、拷問によって彼女の記憶から有益な情報を引き出そうとしました。彼女の記憶は強力な「忘却術」によって守られていましたが、闇の帝王の強力な魔法の前には無力でした。

呪文によって彼女の記憶の封印が破られたとき、ヴォルデモート卿にとって計り知れない価値を持つ二つの情報が流れ出しました。そして、すべての情報を引き出されたバーサは、用済みとしてヴォルデモート卿自身の手によって殺害されてしまいます。彼女の体と心は、闇の魔法によって完全に破壊されてしまったのです。

ヴォルデモート復活へ繋がった二つの重要情報

バーサ・ジョーンズが漏らしてしまった二つの情報は、ヴォルデモート卿の復活計画を完璧なものにするための最後のピースでした。

一つ目は、死んだはずの忠実な死喰い人、バーテミウス・クラウチ・ジュニアが、父親によって秘密裏に生かされているという事実。

二つ目は、その年、ホグワーツで「三大魔法学校対抗試合」が開催されるという情報でした。

この情報をもとに、ヴォルデモート卿はクラウチ・ジュニアを救出してホグワーツへ送り込み、ハリー・ポッターを対抗試合に不正に参加させ、最終的に自身の元へと導くという壮大な計画を立てます。バーサの情報がなければ、この計画は決して成り立ちませんでした。

なぜバーサ・ジョーンズは物語に不可欠なのか

一見すると、バーサ・ジョーンズはただ不運なだけの脇役に見えるかもしれません。しかし、彼女の存在なくして、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の物語、ひいてはヴォルデモート卿の完全復活はあり得ませんでした。

彼女のゴシップ好きな性格と忘れっぽさ、そして魔法省という情報が集まる場所にいたという偶然が重なり、物語の歯車を大きく動かす起爆剤となったのです。彼女の悲劇的な運命は、魔法界に潜む危険性と、何気ない個人の行動が世界全体に与える影響の大きさを読者に教えてくれます。

登場作品

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』

バーサ・ジョーンズに関する言及は、主に原作『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』で登場します。

彼女自身が話したり、主人公たちと直接やり取りしたりするシーンはありません。彼女の失踪や死、そして彼女が漏らしてしまった情報について、様々なキャラクターの会話や回想、独白の中で語られます。

以下が、特に重要な言及がある章です。

  • 第1章「リドル家の館」 物語の冒頭、ヴォルデモートとワームテールの会話の中で、バーサから重要な情報を引き出し、殺害したことが直接的に描かれます。
  • 第6章「ポートキー」 アーサー・ウィーズリーが、魔法省でバーサが失踪して騒ぎになっていることに軽く触れます。
  • 第19章「ハンガリー・ホーンテール」 シリウス・ブラックがハリーに送った手紙の中で、バーサの詮索好きな性格や、バーティ・クラウチとの関係について言及します。
  • 第27章「パッドフット再来」 シリウスが洞窟でハリーたちに会った際、バーサが偶然バーティ・クラウチ・ジュニアの生存という秘密を知ってしまった経緯を詳しく語ります。
  • 第30章「ペンシーブ(憂いの篩)」 ダンブルドアがハリーに憂いの篩で見せる記憶の中で、バーサがクラウチ・ジュニアの秘密を知った後、クラウチ・シニアによって強力な忘却術をかけられた過去が明らかになります。
  • 第33章「死喰い人」 復活を遂げたヴォルデモートが、墓場で死喰い人たちに行う演説の中で、バーサという「我らの助けとなった一人の魔女」から情報を得たと語ります。
  • 第35章「真実薬(ベリタセルム)」 偽ムーディの正体であるバーティ・クラウチ・ジュニアが、真実薬を飲まされて自白する中で、バーサを捕らえてヴォルデモートの元へ連れて行った経緯を詳細に語ります。

まとめ

バーサ・ジョーンズは、自らの性格と不運によって闇の帝王に利用され、命を落とした悲劇の魔女です。しかし、彼女がもたらした情報は、ハリー・ポッターの物語を最も劇的な転換点へと導きました。

彼女の存在を知ることで、私たちはハリー・ポッターの世界が持つ、より深く、そして時に残酷な側面を理解することができるでしょう。

【参考】
Some interesting facts you may not have known about Ron Weasley Published on May 10th 2018

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