『ハリー・ポッター 魔法の歴史展』は、小説『ハリー・ポッターと賢者の石』の出版から20周年を記念し、2017年10月から4ヶ月間イギリスにある大英博物館で初開催された展覧会。そして昨年10月、アメリカのニューヨーク・ヒストリカル・ソサエティへ場所を移し、現在も絶賛開催中です。今回、HP info Japanも潜入してきたので、その内容を徹底レポートいたします!
この特別展で展示されたのは、J.K.ローリング手書きのイラストやアイディアノート、企画書や没案といった『ハリー・ポッター』に纏わるものから、魔法について世界観を広げていく上で彼女が参考にした数百年前の歴史的資料など、非常に貴重な品物にまで及びます。
ジム・ケイによるイラストの原画
現在『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』まで好評発売中のイラスト版で美しいイラストの数々を手がけたジム・ケイの原画やスケッチが展示されています。中には印象的なハリーの顔や見開きアートのダイアゴン横丁のスケッチ、ダンブルドア校長やスネイプ教授の絵も飾られていました。スネイプ教授のイラストの解説によると、右手側にあるハサミはプリンスの蔵書に書かれていた闇の呪文「セクタムセンプラ」を、左手側にある百合の花はハリーの母であるリリーを、そして身につけている緑色のクラバット(ネクタイの一種)や蛇のピンはスリザリンを表しているそうです。また、ボトルに詰められている”mole”はモグラという意味だけではなく、「二重スパイ」という意味もあり、ジム・ケイによってキャラクターの特徴が細かく捉えられていることが分かります。
日本からの資料も
さらには、最新作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』でも登場した日本の魔法動物「河童」について記載された1855年赤松宗且著の『利根川図志』も展示されていました。
幻の没案
ハグリッドがファッジに警告?!ー初期の『賢者の石』ドラフト
アイディアをカットして、後で別のところで織り混ぜるということをよくします。良いシーンは決して無駄にはしません!
ーJ.K.ローリング
暴れ柳ではなく湖に突っ込むフォードアングリア
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の冒頭で見事なまでの暴走を見せた、ロンの父アーサーが改造したフォード・アングリア。この車はホグワーツに到着すると、暴れ柳に衝突し、ロンの杖が折れてしまいました。しかし、初期の案では湖に不時着し、マーピープルにより救助されています。また、実際に出版された本でマーピープルが登場した『炎のゴブレット』の場面では、彼らはマーミッシュ語を話していますが、こちらでは英語で会話しているなど、多くの違いが見られました。
不死鳥の騎士団
1巻目を書き終えることに加え、残りの6冊分のプロットを作り終えるのに約5年がかかりました。これは賢者の石の出版前に構想を練っていた為です。
ーJ.K.ローリング
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