『ハリー・ポッターと秘密の部屋』は、J.K.ローリング原作の世界的人気シリーズ第2作目。
魔法と冒険が詰まった本作では、ホグワーツ魔法魔術学校に再び暗い影が忍び寄ります。
本記事では、映画のあらすじや登場人物、見どころをわかりやすく紹介します。
Contents
映画『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の基本情報
原題 | Harry Potter and the Chamber of Secrets |
公開年 | 2002年 |
監督 | クリス・コロンバス |
上映時間 | 約161分 |
あらすじ
史上最強のファンタジー、2年目の冒険が始まる!!もっと冒険、もっと勇気、もっと魔法----。
ハリー・ポッターの夏休みは、決して楽しいものではなかった。
そんなある日、ハリーの寝室に屋敷しもべ妖精のドビーが現れ、こう警告する――
「ハリー・ポッターはホグワーツに戻ってはなりません。」ドビーはハリーを学校へ戻さないために、ロンとハーマイオニーからの手紙を止めていたのだ。
しかし、叔父叔母の家で酷い仕打ちにあっていること、本当の家はホグワーツ学校であると信じている彼にとっては、ドビーの必死の努力もむなしいものであった。そこへロンとロンの兄達が空飛ぶ車でハリーを救い出し、温かいウィーズリー家へに迎えられた。
しかし、ハリーとロンが9と3/4番線からホグワーツ特急に乗って学校へ向かおうとすると、どういうわけか行く手を阻まれてしまう。
新学期早々遅刻ではシャレにならない。そこで二人は例の空飛ぶ車、フォード・アングリアで学校へ向かうのだが、人間に目撃されてしまったり、学校の大切な“暴れ柳”に突っ込んでしまったりで、先生に大目玉を食らってしまう。
このハリーの活躍(?)は全校生徒の知るところとなり、彼はありがたくもない注目を浴びることになる。
闇の魔術の防衛術の新任教師である、虚栄心の強いロックハート先生は人気者の座を我が物にしようと必死だった。
そんなある日、ホグワーツのどこかにあるとされてきた「秘密の部屋」が開かれた・・という血文字が現れる。次々と起こる謎にハリーに疑いの目が向けられる。ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人は再び忍び寄る魔の手と対決することを決意する・・・!

主な登場人物
ハリー・ポッター
物語の主人公。額に稲妻型の傷を持つ少年で、生後まもなく両親を亡くし、魔法使いとしての才能に目覚めます。ホグワーツ魔法魔術学校の2年生で、勇気と正義感にあふれ、仲間思いの性格。今回は「秘密の部屋」に関する謎に巻き込まれ、真相を探っていくことになります。
ロン・ウィーズリー
ハリーの親友で、7人兄弟の一人。明るく、少し臆病なところもありますが、仲間のためには勇敢に行動できる少年。魔法界の名家「ウィーズリー家」に育ち、庶民的な価値観と温かさを持っています。ハリーの冒険に常に寄り添う、頼れる相棒です。
ハーマイオニー・グレンジャー
ハリーのもう一人の親友で、学校で一番の秀才。読書家で規則を守る性格ながら、時に大胆な行動にも出ます。両親はマグル(非魔法使い)で、自らの努力で魔法界に飛び込んだ努力家。
ジニー・ウィーズリー
ロンの一番下の妹で、ホグワーツに入学したばかりの1年生。純粋で内気な性格ですが、物語の核心に深く関わっていきます。シリーズ初登場となる本作で、重要な局面で中心的な存在となる少女です。
ドビー
屋敷しもべ妖精という魔法生物。自由のない生活を強いられている存在で、ハリーに危機を知らせようと現れます。奇妙でユーモラスな言動ながら、彼の登場は物語に大きな波紋を呼ぶことに。
トム・リドル
過去のホグワーツの学生で、「秘密の部屋」にまつわる謎に関係している人物。ハンサムで知的な青年として現れますが、徐々に彼の正体と恐ろしい目的が明らかになっていきます。
キャスト&吹き替え【一覧】
キャラクター | 俳優 | 吹き替え |
---|---|---|
ハリー・ポッター | ダニエル・ラドクリフ | 小野賢章 |
ロン・ウィーズリー | ルパート・グリント | 常盤祐貴 |
ハーマイオニー・グレンジャー | エマ・ワトソン | 須藤祐実 |
アルバス・ダンブルドア | リチャード・ハリス | 永井一郎 |
ミネルバ・マクゴナガル | マギー・スミス | 谷育子 |
セブルス・スネイプ | アラン・リックマン | 土師孝也 |
ルビウス・ハグリッド | ロビー・コルトレーン | 斎藤志郎 |
フィリウス・フリットウィック | ワーウィック・デイヴィス | 田村錦人 |
ネビル・ロングボトム | マシュー・ルイス | 上野容 |
ジニー・ウィーズリー | ボニー・ライト | 高野朱華 |
フレッド・ウィーズリー | ジェームズ・フェルプス | 尾崎光洋 |
ジョージ・ウィーズリー | オリバー・フェルプス | 尾崎光洋 |
ルシウス・マルフォイ | ジェイソン・アイザックス | 諸角憲一 |
ドラコ・マルフォイ | トム・フェルトン | 三枝享祐 |
用語解説
トム・リドルの日記
「トム・リドルの日記」は、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』に登場する魔法のノートで、実はヴォルデモートが若い頃に作った“分霊箱”の一つです。
この日記には彼の魂の一部と記憶が宿っており、持ち主が書き込むことで意識を操られます。
作中ではジニー・ウィーズリーが日記に取り憑かれ、無意識のうちに秘密の部屋を開き、バジリスクで生徒たちを襲ってしまいます。
最終的にハリー・ポッターがバジリスクの牙で日記を破壊し、ヴォルデモートの魂の一部を消滅させます。この日記は、シリーズ全体の鍵となる「分霊箱」という概念を初めて示す、重要なアイテムです。
スリザリンの継承者
スリザリン家の血を引き、秘密の部屋を開ける唯一の存在。トム・リドルがそれに該当します。
パーセルタング
蛇と会話できる魔法的能力。スリザリンの象徴で、ハリーとヴォルデモートが使えます。
分霊箱 ※重要!
自身の魂の一部を封印し、命を繋ぎとめられるアイテム。
日記帳は、後に明かされる「分霊箱」の1つ。シリーズの根幹に関わる重要な伏線。
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【第1回】分霊箱とは?魂を引き裂く恐ろしい代償を徹底解説
【徹底解説】「秘密の部屋」とは何だったのか?トム・リドルの正体まで
映画『ハリー・ポッターと秘密の部屋』のストーリーをネタバレありで解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。
ハリーはなぜパーセルタング(蛇語)を話せるのか?
赤ん坊のときにヴォルデモートの攻撃を受けた際、彼の魂の一部がハリーに入り込んだからです。
この影響で、ハリーは無意識のうちに蛇と会話できる能力を得ました。作中ではこの力により、「秘密の部屋」への入り口を開くことができましたが、スリザリンの継承者だと誤解される原因にもなります。
この能力は、ハリーとヴォルデモートの深いつながりを示すものであり、後にホークラックスの存在や、2人の関係性の鍵にもなっていきます。
「秘密の部屋」とは何か?
「秘密の部屋」は、ホグワーツ魔法魔術学校の創設者の一人であるサラザール・スリザリンが、他の3人に黙ってこっそり作った場所です。
長い間、そんな部屋はただの噂だと思われていましたが、実際には存在し、スリザリンが誰かに話したり、誰かを中に入れたりした証拠もあるようです。
4人の創設者は、それぞれの寮や部屋を作って学校を形にしましたが、スリザリンだけはさらに一歩進んで、自分専用の秘密の場所を作りました。最初は、他の創設者が反対した闇の魔法を教えるための場所だったかもしれません。
でも、完成した部屋を見ると、スリザリンは次第に「自分は特別な存在だ」という気持ちを強くしていたことが分かります。なぜなら、部屋の中には巨大な自分の像や、蛇の装飾(彼の力の象徴)など、目立つものばかりがあるからです。

怪物=バジリスクの正体
秘密の部屋に潜む怪物の正体は、バジリスク。
見る者を即死させる能力を持つ巨大な蛇で、ハリーはこの怪物に対抗するため、フォークス(ダンブルドアの不死鳥)と、ゴドリック・グリフィンドールの剣の助けを得て戦います。
トム・リドルとジニーの関係
ジニー・ウィーズリーが拾った古い日記帳は、実はトム・リドル(若き日のヴォルデモート)の記憶と魔力が込められた分霊箱。
日記帳から出てくるトム・リドルは、生きている本人ではなく、彼自身の記憶と魔力を封じ込めた分霊箱(日記帳)から生まれた精神体です。この日記帳は、持ち主が書き込むことで心を操り、最終的にはその体を奪おうとします。
ジニーはこの日記帳に秘密を書き込むうちに、トムの精神に取り込まれ、無意識のうちに秘密の部屋を開き、バジリスクを操っていました。つまり、ジニーを操っていた黒幕がトム・リドルだったのです。
つまり、ジニー自身もその支配に気づかず、無意識のうちに行動していたのです。
ドビーの警告と「自由」
ドビーはマルフォイ家に仕える屋敷しもべ妖精で、支配者に逆らえない立場にありながら、必死にハリーを守ろうとします。
最終的にハリーが靴下を使ってドビーを「解放」するシーンは、魔法界における身分制度や自由のテーマを象徴しています。
後のシリーズへの伏線
『秘密の部屋』は、単なる冒険ではなく、
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ヴォルデモートの過去
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ホークラックスの存在
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ハリーとヴォルデモートの“つながり”
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魔法界に根深い差別(血筋、奴隷制)
といった、今後のシリーズに深く関わる要素の土台を築く重要な作品です。
この作品を通して、ヴォルデモートという存在が単なる「闇の魔法使い」ではなく、歴史や血統、価値観に深く根ざした人物であることが明らかになります。
また、後のシリーズで鍵となる分霊箱の初登場も、本作の大きなポイントです。
当時はただの呪われた日記帳と思われていたものが、実はヴォルデモートの魂の一部であり、彼の不死性の根源であることが後に判明します。この日記の破壊は、後の物語でホークラックスを巡る戦いに直結していきます。
さらに、ハリーがバジリスクと戦い、「グリフィンドールの剣」を手にする場面は、彼が真にグリフィンドール生として認められた証であり、後の戦いでもこの剣が重要な役割を果たすことになるのです。
【ネタバレあり】詳しいあらすじ&結末
映画『ハリー・ポッターと秘密の部屋』のストーリーをネタバレありで解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。
ホグワーツ魔法魔術学校の2年目を迎える直前、ハリー・ポッターのもとに突如「屋敷しもべ妖精」ドビーが現れ、「ホグワーツに戻ってはならない」と警告します。忠告を無視してホグワーツへ向かうハリーでしたが、学校では不可解な事件が起こり始めていました。生徒たちや猫までもが「石化」するという前代未聞の出来事に、学校中が騒然とします。
事件の中心には「秘密の部屋」という伝説の場所の存在がありました。この部屋はホグワーツ創設者の1人、サラザール・スリザリンが純血の魔法使い以外を排除するために作ったとされる隠し部屋。開けられるのは“スリザリンの継承者”のみで、そこには恐ろしい“怪物”が潜んでいるといいます。
石化事件の犯人として疑われたのは、蛇語(パーセルタング)を話せるハリー自身でした。過去に秘密の部屋が開かれた際にも似た事件が起こっており、不安と疑惑が広がります。やがて、ハリーの親友・ハーマイオニーも石化され、ロンの妹・ジニーが行方不明になります。
ハリーとロンは、学校の秘密を知る大蜘蛛「アラゴグ」との対話や、ハーマイオニーの残した手がかりから、“怪物”の正体が伝説のバジリスク(巨大な蛇)であることを突き止めます。バジリスクは目を見るだけで人を殺す力を持ち、排水管を通って校内を移動していました。
さらにハリーは、50年前の学生トム・リドルの日記帳を発見。その中で彼の記憶と対話し、彼がかつての事件の犯人であり、現在の事件の黒幕であることを知ります。そして驚くべき事実が明かされます。トム・リドルの正体は、若き日のヴォルデモート卿だったのです。
リドルは、日記の魔力を通じてジニーを操り、彼女の手で秘密の部屋を再び開かせていたのでした。ハリーはバジリスクと壮絶な戦いを繰り広げ、ダンブルドア校長の使い魔フォークス(不死鳥)から贈られた剣で見事にバジリスクを倒します。そしてバジリスクの牙で日記を破壊し、リドルの精神体も消滅させることに成功します。
事件は解決し、ジニーも無事に救出されます。最後にはドビーが、ハリーの機転によって主人から「服」を与えられ、自由の身となります。ハリーは、勇気と仲間の力で再び闇に打ち勝ったのです。
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の視聴方法
映画の視聴方法
- 動画配信サービス: U-NEXT、Hulu、Amazon Prime Videoなどの動画配信サービスで見放題またはレンタルで視聴可能です(2025年5月現在)。
- DVD/Blu-ray: 各種オンラインショップや店舗で購入・レンタルが可能です。
原作小説の購読方法
- 書籍: 全国の書店やオンライン書店で購入できます。
- 電子書籍: 各種電子書籍ストアで配信されています。
- オーディオブック: 耳で楽しむオーディオブック版も人気です。
ロケ地
【参考】
[1] Amazon.co.jp
Chamber of Secrets
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