名前 | トム・マールヴォロ・リドル |
英名 | Tom Marvolo Riddle |
誕生 | 1926年12月31日 |
死去 | 1998年5月2日 |
性別 | 男性 |
血統 | 半純血 |
職業 | |
所属 | スリザリン |
家族 | ・メローピー・ゴーント(母) ・トム・リドル・シニア(父) ・マールヴォロ・ゴーント(祖父) ・モーフィン・ゴーント(叔父) |
杖 | ・イチイの木、不死鳥の羽根の芯、長さ13と1/2インチ ・ニワトコの杖 ・一時的にルシウス・マルフォイの杖も使用 |
守護霊 | なし |
まね妖怪 | 不明 |
演じた俳優 | ・レイフ・ファインズ ・クリスチャン・コールソン(16歳のトム・リドル) ・ヒーロー・ファインズ・ティフィン(11歳のトム・リドル) ・フランク・ディレイン(16歳~18歳頃のトム・リドル) ・リチャード・ブレマー(クィレル教授の後頭部に憑依した顔) |
「ハリー・ポッター」シリーズに登場する、史上最も恐ろしい闇の魔法使いヴォルデモート卿。
彼の強大な力と冷酷さは多くの読者や視聴者に衝撃を与えました。しかし、そのヴォルデモートにも「トム・リドル」としての少年時代があったことをご存知でしょうか?
この記事では、謎に包まれたトム・リドルの少年時代、闇の魔法使いへと変貌を遂げるまで、名前に隠された秘密、そして映画で彼を演じた俳優たちに至るまで、トム・リドルに関するあらゆる情報を徹底的に解説します。
Contents
ヴォルデモートとは何者?|魔法界を恐怖に陥れた「名前を言ってはいけないあの人」
ヴォルデモート卿(Lord Voldemort)は、「ハリー・ポッター」シリーズに登場する、史上最も恐ろしく、そして最も強大な闇の魔法使いの一人です。彼は物語全体を通じて主人公ハリー・ポッターの最大の敵として立ちはだかり、魔法界に二度にわたり大きな戦乱と計り知れないほどの恐怖をもたらしました。
魔法界の多くの人々は彼の名前を口にすることすら恐れ、「名前を言ってはいけないあの人 (You-Know-Who)」や「例のあの人 (He-Who-Must-Not-Be-Named)」といった表現で彼を呼びます。また、彼の忠実な信奉者である死喰い人(デスイーター)たちは彼を「闇の帝王 (The Dark Lord)」と尊称します。
その恐ろしいヴォルデモート卿の人間だった頃の名前は、トム・マールヴォロ・リドル (Tom Marvolo Riddle)。彼の物語は、単なる悪役というだけでなく、愛されなかった孤独な少年が、いかにして強大な力を持ち、そして歪んだ思想を持つ闇の魔法使いへと変貌していったのかという悲劇的な側面も描いています。
トム・リドルからヴォルデモートへ
ヴォルデモート卿の冷酷非情な人格は、彼の孤独で愛情のない幼少期に深く根ざしています。
悲劇的な出生と孤児院時代|愛の欠如
純血の魔女メローピー・ゴーントがマグルのトム・リドル・シニアに惚れ薬を使い結婚しましたが、薬が切れると夫に捨てられ、トム・マールヴォロ・リドルを出産後すぐに亡くなりました。
そのため、彼はロンドンの孤児院で育ち、幼い頃から自身の特異な能力に気づき、他人を支配する傾向を見せていました。
原作者J.K.ローリングは、彼が愛の妙薬(惚れ薬)という欺瞞のもとに懐胎・誕生したことが、彼が生涯を通じて愛を理解したり感じたりする能力を持てなかった重要な一因であるとインタビューで語っています。この「愛の欠如」が、彼の行動原理と悲劇の根源となりました。
ホグワーツでの栄光と闇への傾倒
ホグワーツ魔法魔術学校ではスリザリン寮に所属し、極めて優秀な成績を収め監督生や首席も務めましたが、その裏では自身の出自(特にマグルの父親)を強く憎み、純血主義に傾倒。
サラザール・スリザリンの末裔であることに誇りを持ち、闇の魔術、特に不死を可能にする「分霊箱(ホークラックス)」の研究に没頭しました。
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【第3回】ヴォルデモートの分霊箱一覧!いつ、どこで、誰が、どう破壊した?時系列まとめ
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名前の由来とアナグラム「I am Lord Voldemort」
彼は「ありふれた」トムという名と、憎むべきマグルの父の姓「リドル」を捨て去ることを決意。
自身のフルネーム「TOM MARVOLO RIDDLE」の文字を並べ替え、「I AM LORD VOLDEMORT」(私はヴォルデモート卿だ)というアナグラムを作り上げ、新たな名乗りとしました。
経歴
1926年~1938年頃|誕生と孤独な幼少期
1926年12月31日、トム・マールヴォロ・リドルは、魔女メローピー・ゴーントとマグル(非魔法族)のトム・リドル・シニアの間に生まれました。
母メローピーは、トム・リドル・シニアに惚れ薬を使って結婚しましたが、薬の効果が切れると夫に捨てられ、トム・マールヴォロ・リドルを出産後まもなく亡くなりました。父も彼を引き取らなかったため、トムはロンドンのマグルが運営する孤児院で育ちました。
幼い頃から自身の特異な能力に気づいており、周囲の子供たちを威圧したり、自分の意のままに操ったりするなど、その片鱗を見せていました。愛情を知らずに育ったこの時期の孤独感と疎外感は、彼の人格形成に大きな影響を与えたと考えられています。
1938年~1945年頃|ホグワーツ学生時代
11歳になった1938年、トムはアルバス・ダンブルドアの訪問を受け、自身が魔法使いであることを知らされ、ホグワーツ魔法魔術学校へ入学しました。
彼はスリザリン寮に組分けされ、類まれなる魔法の才能をすぐに開花させました。学業成績は極めて優秀で、教師たちからも模範的な生徒と見なされ、監督生、そして首席にも選ばれました。
しかしその裏では、自身の出自、特にマグルの父親の血を引くことを激しく嫌悪し、サラザール・スリザリンの末裔であることに強い誇りを持つようになります。闇の魔術に強い関心を示し、ホグワーツ在学中には「秘密の部屋」を開けてスリザリンの怪物を操り、マートル・エリザベス・ウォレン(嘆きのマートル)を殺害しました。
また、不死を求める中で分霊箱(ホークラックス)の知識を得て、最初の分霊箱を作成しました。
この頃、彼は自身の名前「トム・マールヴォロ・リドル」のアナグラムから「我はヴォルデモート卿なり(I am Lord Voldemort)」という新しい名前を考案し、忌まわしい過去との決別を誓いました。
1945年頃~1970年頃|闇の魔術の探求と勢力の拡大
1945年にホグワーツを卒業した後、トム・リドルは一時的に夜の闇横丁にあるボージン・アンド・バークスで働きましたが、すぐに姿を消しました。
その後、彼は闇の魔術のさらなる深淵を探求するため、また、サラザール・スリザリンの遺物を探し求めるため、世界各地を巡ったとされています。この期間に、彼は分霊箱の作成を続け、その影響で彼の魂は引き裂かれ、人間離れした容貌へと徐々に変貌していきました。アルバニアの森などで強力な闇の魔法生物と接触し、さらなる知識と力を得たと考えられています。
そして、徐々に「ヴォルデモート卿」としての名を広め、彼に忠誠を誓う信奉者、後の「死喰い人(デスイーター)」を集め始め、魔法界に不穏な影を落とし始めました。
1970年頃~1981年|第一次魔法戦争と最初の失墜
1970年代に入ると、ヴォルデモート卿とその配下の死喰い人たちは、本格的に魔法界を恐怖で支配するための活動を開始し、第一次魔法戦争が勃発しました。彼
らは魔法省や不死鳥の騎士団をはじめとする抵抗勢力と激しく対立し、多くの魔法使いやマグルが犠牲となりました。ヴォルデモート卿の力は絶大で、魔法界は彼の名の前に震え上がりました。
しかし1980年頃、シビル・トレローニーによって「闇の帝王を打ち破る力を持つ者が現れる」という予言がなされました。この予言を自身への脅威と捉えたヴォルデモート卿は、予言に該当する赤ん坊の一人であったハリー・ポッターを殺害するため、1981年10月31日にゴドリックの谷にあるポッター家を襲撃しました。
ジェームズ・ポッターとリリー・ポッターを殺害した後、ハリーに死の呪文を放ちますが、リリーの愛による犠牲の魔法によって呪文は跳ね返り、ヴォルデモート卿は肉体を失い、その勢力は一時的に崩壊しました。
1981年~1995年|肉体のない潜伏期間
肉体を失ったヴォルデモート卿でしたが、作成していた複数の分霊箱によって彼の魂の一部は生き永らえていました。
彼は幽霊のような不確かな存在となり、主にアルバニアの森などに潜伏し、力を取り戻す機会をうかがっていました。この間、他者の身体に憑依することで生き延びようとし、1991年にはホグワーツの闇の魔術に対する防衛術の教師であったクィリナス・クィレルに寄生し、賢者の石を狙いましたが、ハリー・ポッターによって阻止されました。
この出来事により、彼の存在が再び魔法界の一部で認識されることとなりました。
1995年~1998年|復活と第二次魔法戦争
1995年6月24日、長年の潜伏期間を経て、ヴォルデモート卿はついに完全な肉体を取り戻すことに成功します。
裏切り者であったピーター・ペティグリュー(ワームテール)の助けと、ハリー・ポッターの血を利用した古代の闇の魔術の儀式により、リトル・ハングルトンの墓地で復活を遂げました。復活したヴォルデモート卿は、即座に死喰い人を再招集し、魔法界を再び支配するための第二次魔法戦争を開始しました。
彼は魔法省を内部から巧みに掌握し、恐怖による支配を広げ、ハリー・ポッターと彼に味方する者たちを執拗に追い詰めました。
1998年|最期 – ホグワーツの戦い
第二次魔法戦争は激化し、1998年5月2日、ついにホグワーツ魔法魔術学校を舞台とした最終決戦、ホグワーツの戦いが勃発しました。
ヴォルデモート卿は自ら軍勢を率いてホグワーツに攻め込み、多くの死傷者を出しました。この戦いの最中、ハリー・ポッターとその仲間たちの尽力により、ヴォルデモート卿の分霊箱は次々と破壊されていきました。
そして、最後の分霊箱が破壊された後、ヴォルデモート卿はハリー・ポッターとの一騎打ちに臨みます。しかし、彼が絶対の自信を持っていた「ニワトコの杖」の真の忠誠はハリー・ポッターにあり、ヴォルデモート卿自身が放った死の呪文「アバダ・ケダブラ」は彼自身に跳ね返り、ついにヴォルデモート卿は完全に滅び、その魂も消滅しました。
映画でヴォルデモート/トム・リドルを演じた俳優たち
映画「ハリー・ポッター」シリーズでは、以下の俳優たちがヴォルデモート卿およびその若き姿であるトム・リドルを演じました。
- レイフ・ファインズ (Ralph Fiennes): 復活後の成人したヴォルデモート卿。
- クリスチャン・コールソン (Christian Coulson): 『秘密の部屋』に登場する16歳の日記の中のトム・リドル。
- ヒーロー・ファインズ・ティフィン (Hero Fiennes Tiffin): 『謎のプリンス』に登場する11歳のトム・リドル(レイフ・ファインズの甥)。
- フランク・ディレイン (Frank Dillane): 『謎のプリンス』に登場する16歳~18歳頃のトム・リドル。
- リチャード・ブレマー (Richard Bremmer): 『賢者の石』でクィレル教授の後頭部に憑依したヴォルデモート卿の顔(声はイアン・ハート)。
まとめ
ヴォルデモート卿は、単なる悪役を超えた存在として描かれました。魔法界を二度にわたり恐怖の渦に巻き込み、主人公ハリー・ポッターの人生を根底から揺るがした最大の敵であり、その存在は物語全体を貫く緊張感と推進力を生み出しました。
しかし、彼の物語は絶対的な悪の象徴であると同時に、一人の人間が経験した悲劇の物語でもあります。愛を知らず孤独に育った幼少期、自身の出自へのコンプレックス、そして死への異常なまでの恐怖。これらがトム・リドルを歪ませ、強大な魔力と歪んだ野心を持つヴォルデモート卿へと変貌させたのです。
また、彼の分霊箱(ホークラックス)への執着は、不死への渇望がいかに人間性を破壊するかを象徴的に示しています。
ヴォルデモートの物語は、今もなお多くのファンにとって、恐怖と共に深い教訓と考察を与え続けています。
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