分霊箱

【第3回】ヴォルデモートの分霊箱一覧!いつ、どこで、誰が、どう破壊した?時系列まとめ

「分霊箱をすべて破壊しなければ、ヴォルデモートは倒せない」――それが戦いの本質だった。

分霊箱特集、第3回。今回は、ヴォルデモートが作った6つの分霊箱と、意図せず分霊箱となったハリー、合計7つの分霊箱について解説します。

これまでの記事では、第1回で分霊箱の基本的な仕組みと代償を解説しました。第2回では、ヴォルデモートがなぜ分霊箱を作り、「7つ」にこだわったのか、その動機に迫りました。

今回の記事では、全7つの分霊箱どのように作られ発見されいかにして破壊されたのか、時系列に沿って網羅していきます。

①トム・リドルの日記

ヴォルデモートが最初に作り出した分霊箱です。学生時代に使用していた、自身の名を冠したこの日記帳に、最も若い頃の魂の断片を封じ込めました。

分霊箱はどのように作成された?|時期、作成方法、隠し場所

16歳頃、ホグワーツ在学中に作成されました。分霊箱作成のために利用されたのは、トム・リドルが秘密の部屋を開いた際にバジリスクによって殺害されたホグワーツの生徒、嘆きのマートルの死です。

作成後、ヴォルデモートは信頼する死喰い人、ルシウス・マルフォイにこの日記帳を託しました。

発見までの経緯と破壊方法

1992年、ルシウス・マルフォイによってジニー・ウィーズリーの教科書に密かに差し込まれます。

ジニーが日記帳に宿るトム・リドル(ヴォルデモートの記憶)に操られる形で物語に登場しました。

秘密の部屋の奥深くでハリーによって発見され、1993年、ハリーがバジリスクの牙で日記帳を突き刺すことで破壊されます。

バジリスクの牙の毒は、分霊箱を破壊する数少ない力の一つです。

物語における役割と特徴

最も早い時期に作られたため、元のトム・リドルの意識や記憶が比較的強く残っており、他者を操る能力に長けていました。秘密の部屋の事件を引き起こした、物語序盤の重要な鍵であり、ハリーが最初に破壊した分霊箱です。

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②マールヴォロ・ゴーントの指輪

ヴォルデモートの母方の祖父、マールヴォロ・ゴーントの家系に代々伝わる指輪です。この指輪には、死の秘宝の一つである「蘇りの石」が埋め込まれていました。

分霊箱はどのように作成された?|時期、作成方法、隠し場所

ホグワーツ卒業後の1940年代、父親であるマグルのトム・リドル・シニアを含むリドル一家を殺害した後に作成されました。

作成後、ヴォルデモート自身によって、ゴーント家の廃屋に隠されました。指輪には強力な呪いがかけられていました。

発見までの経緯と破壊方法

1996年、アルバス・ダンブルドアがゴーント家の廃屋で発見しました。

指輪には強力な呪いがかけられていましたが、ダンブルドアは自らが呪いによって致命的な影響を受けることを覚悟の上で、バジリスクの毒を吸収したグリフィンドールの剣を用いて破壊しました。

物語における役割と特徴

死の秘宝である蘇りの石が埋め込まれていましたが、ヴォルデモートはその真の価値や正体に気づいていませんでした。強力な呪いがかけられていたこと、そしてダンブルドアの死に深く関わる極めて重要な分霊箱であることが特徴です。物語の中で2番目に破壊された分霊箱です。

③サラザール・スリザリンのロケット

ホグワーツの創設者の一人、サラザール・スリザリンの遺品である豪華なロケットです。ヴォルデモートは自身の祖先であるスリザリンに強い思い入れを持っていました。

分霊箱はどのように作成された?|時期、作成方法、隠し場所

マグルの浮浪者を殺害した後に作成されたと推測されています。

作成時期は、トム・リドルがホグワーツ卒業後、ボルギン・アンド・バークスで働いていた頃(1950年代後半から1960年代初頭)。

ヘプジバ・スミスを殺害し、彼女からロケットを盗み出して分霊箱としました。

発見までの経緯と破壊方法

1996年、ダンブルドアとハリーが洞窟からロケットを回収しましたが、そこに置かれていたのは偽物でした。本物とすり替えたのは、R.A.B.ことレギュラス・ブラックです。

その後、本物はグリモールド・プレイス12番地に隠され、最終的にマンダンガス・フレッチャーからドローレス・アンブリッジの手に渡りました。

そして1997年、ハリー、ロン、ハーマイオニーがドローレス・アンブリッジから本物を奪還したことで、ついに発見されたのです。

その後、同年にディーンの森で、ロン・ウィーズリーがグリフィンドールの剣を用いて破壊しました。なお、ロケットは身につけた者に強い悪影響(怒りや絶望)を与える性質を持っていました。

物語における役割と特徴

隠し場所の魔法が非常に強力でした。長い旅路をたどり、複数の人物の手を経た分霊箱です。物語後半でハリーたちが探し求める重要なアイテムの一つであり、ロンの精神的な成長の試練ともなりました。物語の中で3番目に破壊された分霊箱です。

④ヘルガ・ハッフルパフのカップ

ホグワーツの創設者の一人、ヘルガ・ハッフルパフの遺品である金の小さなカップです。かつてはホグワーツの宝物庫に保管されていました。

分霊箱はどのように作成された?|時期、作成方法、隠し場所

ホグワーツを卒業し、ボルギン・アンド・バークスで働いていた頃に作成されたと推測されています。

ヘプジバ・スミスという裕福な収集家を殺害し、彼女からカップを盗み出して分霊箱としました。作成後、グリンゴッツ魔法銀行のレストレンジ家の金庫という、極めて安全な場所に隠しました。

発見までの経緯と破壊方法

1998年、ハリー、ロン、ハーマイオニーがグリンゴッツ魔法銀行のレストレンジ家の金庫に侵入して発見、奪還しました。

そして、同年のホグワーツの戦いの最中に、ハーマイオニー・グレンジャーが秘密の部屋でバジリスクの牙を用いて破壊しました。バジリスクの牙も分霊箱を破壊する力を持っているのです。

物語における役割と特徴

ハーマイオニーにとって初の分霊箱破壊。物語の中で4番目に破壊された分霊箱です。

⑤ロウェナ・レイブンクローの髪飾り

ホグワーツの創設者の一人、ロウェナ・レイブンクローの遺品である髪飾り(ティアラ)です。身につけた者に知恵をもたらすとされていました。

分霊箱はどのように作成された?|時期、作成方法、隠し場所

ホグワーツ卒業後に、アルバニアの森で作成されたと考えられています。

アルバニアの農民を殺害して作成されたと推測されています。作成後、ホグワーツ城内の「必要の部屋」に隠しました。ヴォルデモートがかつて隠し、その場所を覚えていることを誰も知らないだろうと考えたからです。

発見までの経緯と破壊方法

1998年、ホグワーツの戦いの最中に、ハリーが灰色のレディから情報を得て、必要の部屋で見つけ出しました。

発見後、同じく必要の部屋でビンセント・クラッブが放った悪魔の炎に巻き込まれる形で破壊されました。悪魔の炎は、分霊箱を破壊する数少ない力の一つです。

物語における役割と特徴

ホグワーツ城という象徴的な場所に隠されていました。必要の部屋という変幻自在な場所へ隠されていたため、発見を非常に困難にしました。物語の中で5番目に破壊された分霊箱です。

⑥ハリー・ポッター|意図せず作られた分霊箱

ヴォルデモートが自身の魂を7つに分ける完璧な計画を立てていた中で、予期せず、彼の計画を狂わせる存在が分霊箱となりました。それが、主人公ハリー・ポッター自身です。

分霊箱となった経緯

1981年、ヴォルデモートが赤ん坊だったハリーを殺害しようとした際、リリー・ポッターの自己犠牲の愛の魔法によってアバダ・ケダブラの呪文が跳ね返り、ヴォルデモート自身の肉体が滅びました。その際、崩壊したヴォルデモートの魂の一部が、唯一生き残ったハリーに意図せず宿ってしまったのです。ハリーの額にある稲妻形の傷跡は、この出来事の名残とされています。

分霊箱であると気が付くまで

ハリー・ポッター自身が分霊箱であることは、ダンブルドアが早くから可能性を疑っていました。ハリーの額の傷跡や、パーセルタングを使えることヴォルデモートの感情を感じるなど、ヴォルデモートとの特別な繋がりがあったためです。

真実がハリーに明かされたのは、ダンブルドアの死後、スネイプの記憶を通してでした。

魂の断片が滅びる時

1998年、ホグワーツの戦いの最中。ハリーは禁じられた森でヴォルデモートと対峙し、自身に宿る分霊箱の魂の断片を滅ぼすために、抵抗せずアバダ・ケダブラを受け入れました。ヴォルデモートの呪文はハリー自身を殺すことはできませんでしたが、ハリーに宿っていたヴォルデモートの魂の断片だけを滅ぼすことに成功しました。

物語における特別な役割

ヴォルデモートが意図せず作られた分霊箱です。

ヴォルデモートが自身の魂の数すら正確に把握していなかったという誤算の象徴であり、物語の結末において極めて重要な役割を果たしました。ハリー自身が分霊箱であったことが、物語の最後の展開、特にヴォルデモートの完全な滅亡に深く関わっています。

なお、J.K.ローリングは2007年のブルームズベリー主催のウェブチャットにて、「彼はハリーとのつながり(額の傷の痛み、パーセルタングを話せる能力など)を、自分の力がハリーに何らかの印を残した結果だと解釈し、それが自身の魂の一部であるとは考えませんでした。彼の傲慢さが、その可能性を見過ごさせました。」と言った趣旨の発言をしています。

ハリーは物語の中で6番目に破壊された分霊箱とでした。

⑦ナギニ

ヴォルデモートが最も信頼し、常に近くに置いていた巨大な蛇、ナギニです。生きた生物を分霊箱にするという、非常に稀なケースでした。

分霊箱はどのように作成された?|時期、作成方法、隠し場所

アルバニアで力を蓄えていた1994年頃に作成されたと推測されます。

J.K.ローリングは、ナギニを分霊箱にする際に利用された死について、リドル家の元庭師フランク・ブライス、もしくは魔法省職員のバーサ・ジョーキンズであると述べています。

発見までの経緯と破壊方法

ヴォルデモートが常に手元に置いた分霊箱です。

ダンブルドアは生前からナギニが分霊箱である可能性を強く疑っていましたが、ハリーがその事実を最終的に知ったのは、セブルス・スネイプが死ぬ間際に託した記憶を通じてでした。その記憶には、ダンブルドアがスネイプに「ヴォルデモートはナギニを最後の分霊箱にした」と語る場面が含まれていました。

ナギニが分霊箱であることが判明した後、1998年、ホグワーツの戦いの最中に、ネビル・ロングボトムによって破壊されました。

組み分け帽から現れたグリフィンドールの剣を用いて首をはねることで、ナギニに宿る魂の断片が滅ぼされます。決戦の最中、ネビルがグリフィンドールの剣で破壊する場面は、真のグリフィンドール生として覚醒する名シーンです。

物語における役割と特徴

唯一の「生きた」分霊箱であり、ヴォルデモートが最も手元に置いた存在でした。魔法生物を分霊箱にするという点で特殊であり、ヴォルデモートの精神的な安定とも関連が深い存在でした。物語の中で7番目に破壊された分霊箱です。

まとめ

この記事では、ヴォルデモートが作り出した、そして意図せず生み出してしまった全7つの分霊箱について、その正体や物語における運命を追ってきました。

分霊箱一つ一つが破壊されていく過程は、ヴォルデモートの不死が崩れ去っていく軌跡であり、同時にハリー、ロン、ハーマイオニーをはじめとする多くの人々が、勇気と知恵、そして愛と犠牲をもって闇の魔法に立ち向かう希望の物語でもありました。

物語の中で分霊箱の存在に気づき、その破壊計画を立て、ハリーたちに託したのは、偉大な魔法使いアルバス・ダンブルドアでした。彼はどのようにして分霊箱の存在に気づき、その謎を解き明かしていったのでしょうか?

特集の次回、第4回の記事では、「ダンブルドアはなぜ分霊箱に気づいたのか?」というテーマで、彼の推理の過程と、ヴォルデモートの過去を読み解く洞察力に迫ります。分霊箱の謎を解き明かす上でのダンブルドアの重要な役割を解説しますので、ぜひそちらも合わせてお読みください!

【参考】
J.K. Rowling, Online Chat Transcript, Bloomsbury, 30 July 2007.(Accessed via accio-quote、2025/5/15)

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